●2003/12/22

今年も残り少なくなりました。新発売の疾風も好評で多くの人から感激のお電話やお手紙を頂き、私としても自分の車のように嬉しく思います。
またアタックX1スプレーも「カートのエンジンOH時に、シリンダーにピストンを組み込む際にX1スプレーを吹き付け(ヘッドは組み付けない状態)X1スプレーをひと吹きし電動インパクトレンチで一度エンジンを5〜10分間回転して確認したらシリンダー表面がツルツルに輝いてきて効果を確認できた」と報告されています。

来店されたお客様や電話相談で「オイルの持ち込みは快くオイル交換してくれる店が少ないので、アタックでオイル交換してくれないか?」といった要望が多数寄せられていました。
私としても皆様の要望を何とか叶えなくてはいけないと考えていましたが来年の1月下旬、ようやく実現できる運びとなりました。HPの新製品・イベント情報で紹介されておりますように只今アタック新社屋を建設中です。
現在の予定では1月20日(第3火曜日)〜21日(水曜日)の引越しを考えております。この時期にアタックに来社予定の人はお手数をお掛けますが来社前に確認してください。
新社屋の場所は県道に面しており、今まで以上にわかりやすい場所です。
東名高速、大井松田ICより小田原方面(料金所を出て左折)に出て直進(255号線)、2車線になったら左側レーン(国府津方面)に入って100M先の左側です。
アタックチューン発進基地として皆様の楽しいカーライフに貢献できる様々なサービスを順次ご提供しようと検討中です。
皆様をお迎えするゲストルームも完備しておりますので、「一度アタックに行ってみたい」と思っていた人は是非ご来店ください。

アタックの基本姿勢はお客様が「心の底から満足」を得ることを最大の目標として取り組んでおります。

本年もアタック製品をご愛用頂き、厚く御礼申し上げます。来年も今年同様、宜しくお願い致します。

●2003/10/22

トヨタのハイブリットカー「プリウス」が6年振りにモデルチェンジを行った。プリウスは1997年10月世界初の量産ハイブリットカーとして発売された。モーターとエンジンでお互いを助け合うシステムで高燃費、低公害を達成する次世代のシステムである。今回の目玉はモーターと発電機の電源電圧を273.6Vから500Vと実に二倍近く高めている点にある。これによって加速性能を飛躍的に高め加速を楽しめる車に近づいたと謳っている。電圧を高めた訳だから電気エネルギーを動力に変換する際のロスも大幅に軽減されるだろう。

一見するとプリウスが目指す方向性は、アタックの提唱する「ファインチューン」とはまったく別な次元のものであり、「なんで藤沢の部屋で紹介されるの?」などと疑問視する方もおられる筈。だがその根底にあるターゲットは同じものなのである。
今回はプリウスとレシプロ+ファインチューンを比較してみたいと思う。

新型プリウスの主要諸元表を見ていた社員が何気なく「今度の新型プリウスは圧縮比が13.0:1もある」とつぶやいた。その数値は私を驚かせる数値であったがすぐにピンときた。圧縮比13.0:1は昔のTSサニー・フルチューンエンジンの圧縮比よりも高い。私の組み込んだ最高に高い圧縮比でも12.3:1であった。燃焼効率を高めるための手段として圧縮比アップはチューニングエンジンの常套手段である。ところが急加速をしたり急登板など高い負荷が掛れば掛るほどノッキングが発生しダメージを受ける。プリウス搭載エンジンの排気量は1496cc。決して単体で13.0:1を市販車に実現できるほどパワフルではない。ではどうしてそれが実現されるのか?そこには強力な駆動モーターという助っ人の存在がある。エンジン+モーターなのか?モーター+エンジンなのか?は判断に難しいところではあるが、スタートから立ち上がりの加速を主に負担するは大トルク発生を得意とする電気モーターであるから、エンジンは補助的負担で負荷ははるかに軽減されている。だから13.0:1といった驚異の高圧縮比が可能となっている。
逆に高回転での安定走行時に実用理論値を限りなく高めた高効率エンジンを稼動させ、
トータルでの効率を互いに高めあっている。

 これを現行のレシプロエンジン単体に当てはめて考察すると、実際にはノッキング等の発生により不可能と思われる理論値であり、これをそのまま真似することは出来ない。ファインチューンはこの「現実には不可能な理論値」に「実用に耐えながら近づける」ことであり、弊社がX1をはじめとする各種「ファインチューンナップ製品」を開発するコンセプトも、これと同様に抵抗(摩擦等の実際で起こりうる無駄)を大幅に低減し、現実の値を理論値に近づけることにある。また、結果としてエンジンのコンプレッションが理論値に近づくことにより、現実の圧縮比も高くなり、プリウスのように理論空燃比に近づくという作用ももたらされることとなる。カンタンに記せば「現実+ファインチューン=理論値に近づく」という事実である。
 
余談であるが、旧型プリウスのエンジンにX1を300cc添加したら燃費が2km/h向上したという報告が寄せられている。これと同様に新型プリウスにX1を添加したら、どんな結果がでるのか興味は尽きない。メカニカルとして理論値を実現しようとするプリウスに、オイルとして理論値を目指すX1が結びつく・・・・面白い結果が期待できそうだ。

  
     
●2003/08/30

マスコミは不景気、不景気と書きたてるが、大規模な自動車用品店がこの秋に相次いででオープンする。千葉県習志野市に日産カレスト幕張店、京都市右京区にス−パーオートバックス京都ワンダーシティ店がもうすぐ開店する。これらの店舗には、開店当初からアタック製品が店頭に陳列販売される。ともにアタック製品をフルラインナップで取り扱うことが決定している。
近くにお住まいのアタックファンにとっては朗報である。
日産カレスト幕張店は女性を意識したハイセンスな大型店。ス−パーオートバックス京都ワンダーシティ店は日本一の売り場面積との噂もある。オープンしたら実際にご覧になって頂きたい。
 
最近多い話として「購入を考えてお店に行ったが質問して満足な回答が得られなかった」というケースがある。
アタックとしても、マイスターショップ・正規特約店といった形で、販売店サイドの整備を進めているが、たとえ同じ販売店でも販売員毎のアタック製品に対しての習熟度の違いから、こんな話が出てくる場合がある。アタックの製品は奥が深いというのは今まで愛用してくれたユーザーなら判る筈。ある意味、ユーザーの方が販売員より詳しいケースも多々ある訳だ。そんな時はアタックレーシングまで直接電話して欲しい。
 
「他の商品は営業の方が圧力試験機なども持参して色々と売り込みに来店するが、アタックさんは本当に特殊でお客様が名指しで買いにくるお客様主導型です」と・・・。
ちなみに今回の大型店舗導入も同様に店舗サイドからのオファーである。皆様のお陰で深く静かにアタック製品の性能の確かさが認知され始めて兆しが読み取れる。

また川崎駅前に東急ハンズ川崎店がオープンするが、そちらでも一部商品の取扱いを開始する。電車通勤の人なら便利な場所なので、会社帰りにX1の買い足し・・・なんてことも可能だ。




疾風レポート
正式発売前に疾風を試した方々から早くもお礼のお便りも寄せられているのでご紹介しよう。
ユーザーコメント
追伸 疾風相変わらず素晴らしいですね文句のつけようがありません。中古で買ったS2000のシフトがあまりのも渋かったもので一時はどうなることかも思いました。
おかげさまで今は新車のフィーリングです。それ以上かな・・・。


困った人がこのように改善され、喜んでれるのが医者と同じで一番嬉しい瞬間である。しかしながらアタック製品と言えども100%万能ではない。思ったほど改善されなかったり、用法の間違いから本来の性能を発揮出来ないケースもある。先ほども書いたが、「困った時・疑問があった時は気軽に相談して欲しい。」発売以来蓄積されたDATAを元に具体的に改善案を提示していきたい。

疾風開発最終バージョンは現在も継続テスト中であるがおもしろい発見をした。
厳しい走りをすると少しは入りが渋くなるが、その後しばらく普通に走行するとX1メタルリペアが働いて回復してしまうという現象である。これが一回ではなく何度も回復するので正直びっくりしている。よほどへたったところでX1を50〜100cc追加投与してみて更なる回復具合を見る予定。ホンダインテグラタイプRのFFミッションやシルビア6速MT(類似形式:アルテッツア)、スカイライン、インプレッサ、などMTの渋さが気になる人は一度試してみて欲しい。これからの季節にもマッチする高性能オイルだから、「自分の車のミッションは今でも調子いい!」と思っている人でも、疾風に交換することにより新たなシフトフィールに感動するかも知れない。MTが吸い込まれるように入る感覚を是非体験して欲しい。
  
  
●2003/06/26

5年の歳月を費やして開発してきたマニュアルミッション専用フルードがようやく最終段階に到達した。特に冬季冷間時のギヤの入りを改善するための専用オイルである
ここでアタックレーシングをまだ理解しきっていない読者は、「成分は何?」と気になるだろうが、スーパーアタックX1にしてもその効果が成分だけで理解されるのであれば開発など7〜10日間もあれば簡単に出来てしまう。もちろん成分による性質や性能が大事な要素ではあるが、その要素の「一つ」なのである。
ミッションオイルはギヤやベアリングの潤滑と同時にシンクロナイザーの作用を改善したり、過激に走行した際の高温特性も考慮しなければならない。また冬季のみでなく高温となる真夏の耐久性も確認しておかねばならない。手を抜けばアタックファンの期待を裏切ってしまう恐れがある。テストしてNGが出るとベースオイルや成分や配合割合など多岐に渡って見直し、研究して次の試作品を作る。また同じようにテストを繰り返す。この場合、元々ギヤ入りの良好なミッションでテストしてもテストにならない。また普通に走る人でもテストにならない。元々、出来の悪いMTで、しかもある程度の走りが出来る人で、しかも更に過酷にテストを重ねる。おもしろいもので新品交換直後は素晴らしい性能で「これは良さそうだ!」と期待しても走りこむうちに落ちが早かったり、反対に最初はあまり期待できないと感じていたら走りこむうちに徐々にアップする特性を示したり、私たちを色々と悩ませる。5作、6作と思考錯誤を重ね、ようやく満足のゆくレベルに到達した。気がついてみたら5年以上の月日が過ぎていた。オイルのテストを依頼した大手ディーラー勤務の人(一般ユーザーとして以前からアタック製品を愛用してくれており、今回のテストに協力してくれている)も、アタックの開発姿勢に「そこまでやるんですか?」と驚いた。何回か重ねると試運転を楽しみに行い「今度のオイルは良いですね」と関心を寄せるまでになった。このように、いかに抜かりなく適切なテストを重ねるかが非常に重要となってくる。もちろん開発の途中から複数の車両を使用して実施する。このような経過を辿って、夏の終わり頃に正式発売することに決定した。「アタックは実験データの数値を何故出さないのか?」と聞いてくる人がアマ・プロ問わずして多いが、実際、人間の指先に伝わる微妙な感触は数値に出てこない場合が多い。今回のミッションフルードのサブ・コンセプトは「気持ちよいシフトフィールを提供する」である。データだけなら「入った・入らない」で終わってしまうが実際には「渋いけど入る。だけど気持ちよくない」といった中途半端なテスト結果が得られる。シフト時にバネばかりでも使えば、これすらもデータに出来なくもないが、本来シフトを動作するのは指先と考えると、バネばかりを使うのはナンセンス。人間工学とは人間が主体となって始めて活きてくるものだと私は考えている。

新しいMTフルードは、クイック・マニュアル・トランスミッション・フルードの頭文字を取ってQMTFとなるが商品名はクイックシフトをイメージした[疾風(はやて)]と決定した。
オイル表示粘度は72.5W-82.5 オイルと呼ぶよりフルードと呼んで欲しい。エンジンオイルの粘度と違って5番違うと、エンジンオイル粘度の20番ほど違ってくるので、表記は72.5Wであるが見た目はエンジンオイルの40番と同等に見える。ミッションオイル専用となるのでFR方式のデフには使用できないが、FF方式で純正LSDが組み込んである車には対応している。ただし峠やレースなど過酷な使用を考えている場合は、従来のアタックギヤオイル80W-90の使用を推奨する。

オイルの耐久性については、粘度が柔らかい分、硬い粘度に比較すると、僅かに落ちるケースもあるが、反面、入りが軽くなるために負荷が余計に掛からず長持ちするケースも出てくる場合もある。このあたりはユーザー&各々のミッション毎に一概には言えないが、それだけシンクロや操作部分には優しいフルードであると言える。

スーパーアタックX1発売当初より一部の人から要望が強かったアタックX1スプレーも同時発売することになった。場合によっては疾風より先に8月頃に発売できると考えている。一般的なスプレー缶の半分以下の大きさ容量(100ccサイズ:正味70cc)だから使い勝手には優れている筈だ。X1スプレーは他社製品が短期間で蒸発して効力が落ちる問題点を積極的に改善し、長期間効果が持続するのが特徴である。用途としては、自動車、オートバイのみならず、玄関のドア、鋏など幅広く活用できる。

  
  
●2003/04/27
世の中はイラク戦争、不景気、SARSの広がりと混沌とした時代を迎えているが、アタックは忙しさに追われている。日本人の二人に一人がNETを活用する時代に突入し、誰もが手軽に情報を得られる情報化時代に突入した。当然ながらアタックの優秀性がここにきて隠しようもなくなり情報が氾濫しつつある。つまり情報公開時代を迎えたわけである。勝負の世界で長年に渡ってチャンピオンカーに使用されながら隠されたのもオイルや添加剤はエンジン・MT内部の見えない部分で活躍していることと、あまりにも高性能ゆえに秘密にされたからである。これがタイヤのように見える物であれば「◎◎のタイヤはいいね」と即座に解ってしまう。発売一年もたてば大フィーバーを起こしていたに違いあるまい。どんなに隠そう隠そうとしても本物の性能は、少しずつ知れ渡ってきた。そこでアタック製品の高性能を理解してレースに生かしている和田選手に広告を依頼したわけである。二人のあうたびに交わす言葉は「我々が戦っていた最中に、アタックがあったなら、もっと楽にたくさん勝てたのに!」といった思いを口にする。この同じような感情はアタックを始めて使用した人からも沢山いただく。この間も60歳の人から「もっと若いときにアタックにめぐりあっていれば、もっと楽しい車世界を味わえたのに・・・」と悔やんでおられた。「いやいや、まだまだ70歳までは楽しめますよ」と励ましの言葉を掛けた。日産カレスト座間株式会社を始めとしてスーパーオートバックスでもアタックが売れている店が増えてきた。そこで各店舗の視察を始めて行った。その結果、驚くべき事実が明らかになった。売れている店ほどアタック製品を担当者自身が自分で使用し、その良さを理解して惚れ込んでお客様に本音で推奨してくださる。もちろんアタックのオイルに到達するまで、あらゆるメーカーのオイルを自分で試して結果を掴んでいる。反対にアタック製品が売れていない店は、担当者がオイルをまったく理解していない。若いマネージャーに「どんな車に乗っているのですか?」とたずねると「ハイエース」と言う答え。更に「オイルはどこの会社がよいのか解りません」と答えが返ってきた。これではお客様が可愛そうである。ずらりと並んだオイルを購入しようとしたらお客は迷ってしまうから適切なアドバイスを期待すると思う。お客は、こんな裏話は知らないから、オイル担当者はオイルに詳しいと勝手に信じてアドバイスを信じて購入することになる。これが現実である。また安いオイルほど、土派手なデザインで能書きが沢山書かれていることに気がついた。アタック製品に能書きは不要であると改めて感じた。
NETは無責任な情報も無数に飛び交っているので、どれが正しい情報で、どれが偽情報なのかを見分ける審美眼が要求される。だまされてから後悔するより、購入前にじっくり情報を分析しよう。人間の心理として少しでも安く購入して得をしようという心理が働く、相手はそこを巧みに付いてくる。最後に解ってくると金額イコール性能(もちろん期待を裏切るものも皆無ではないが)だと悟ったような心境に到達する。
  
●2003/02/09
新年を迎えたと思ったら、あっという間に一ヶ月が過ぎてしまった。
雪国は大雪で大変だと思うが湘南地域は恵まれていて庭の紅梅も咲き始め春の足音が聞こえてくるようなウキウキした気持ちになる陽気である。
早いもので、寒冷時のギヤー入りを良くするミッション専用オイル(MTF)の開発も3年目を向かえ最終段階に近づいているが、とうとう今年の冬には間に合わなかった。
その理由は、一つの試作品を作ると寒冷時の入り具合をテスト、それに合格すると夏場の酷暑での耐久テストと1年間の耐久テストで耐久性を確認しなければならないからである。

実験室での実験だけでは優れた製品は作れない。
自動車メーカーも最後は実験して不具合を改善するように一番重要なことは、いかに厳しい「TRY & ERROR」を積み重ね顧客が満足する製品を生み出せるかが重要とアタックは考えている。
成分も重要な要因の一つに過ぎないのだが、何も知らない世間の人は成分のみを問題視する。理屈で優れた物が作れるのであれば、添加剤も優れた物ばかりになると思うが現実は反対である。
最後に物を言うのは「長年の職人のカンと積み重ねた技術と車に対する熱い情熱と愛情」なのである。


話題はがらりと変わって新型マーチe-4WDのテスト結果を報告しよう。
前回は良い車だと評価したが狭い住宅地を日常の足代わりとして使う分にはハンドルも軽く視界も良く申し分ない車と言える。しかし伊豆、箱根、長野に長距離ドライブテストを実施した感想は、まったく異なった感想となった。
@ まずシートが良くない。昔のスプリング入りのシートの座り心地と異なりウレタンの頼りなさねばりのなさが長時間たつほど、しっくりこなくなる。
A 登坂や少し多めにアクセルを踏むと、エンジンメカノイズが急激に大きく高まり音質も安っぽく今にも壊れそうな音になる。
@の対策としてはレカロシートに交換するか別の車のシートに変える手段もあることはあるが、サイドエアーバックが背もたれサイドに組み込まれているようなので簡単にはいかない。 
Aメカノイズの原因は純正の0W-20という柔らかい粘度に原因の大半が起因していると推定した。なぜなら純正オイルにX1を250ccほど追加してみたのだが思うようなノイズ低下は得られなかったので、思い切って5W-30のGPX1極に交換して結果を見ることにした。結果は予想どうりでメカノイズも格段に静かになり急加速も登坂時もワンクラス上級車種に乗っているような高級感あるマイルドで落ち着きのある静かな音質へと改善された。燃費的には、まだ一回目の給油なのでデーターとして取れていないが箱根の坂を登ったり急加速を試したり片道5分の通勤を使用したりといった悪条件で11,36km/リッターというまずまずの結果である。0W-20はあまりにも薄い皮膜保持のために普通に走る分には欠点を露呈しないがひとたび回転が高まると豹変する。これは最近の傾向であるが「余裕度がない」と私は思う。日常の生活にしても車の全ての部分においても余裕度は必要だと考える。コンピューター解析で余裕度をぎりぎりまで削ってコスト低減を図った場合、予期せぬ出来事に遭遇すると、こらえしょうがない。薄い粘度が抵抗を減らして燃費を向上させるという理屈は納得しがちであるが、長い目で見た場合はどうなるのかなと疑問を感じている。今後はAZX1の10W−40の硬い粘度で、メカノイズ、トルクの出方、燃費などが、どのように変化するのかテストする予定である。

Webmasterの検証
New Zに続き、V35スカイラインが発売された。まだまだ展示車は新しいので、試してみてほしい事がある。
フィラーキャップを開けて臭いをかいでみて欲しいのである。きっと貴方はあまりのガソリン臭に驚く筈だ。僅かに走行距離5km程度の車とは思えない。これが0W-20というものなのか・・・と感じた。
指定オイルが0W-20の車に5W-30等のオイルを使用することにはまったく支障がない。今後の藤沢の部屋でのマーチの記事には0W-20指定車にお乗りの方は是非注目して欲しい。
     
●2002/12/01
12月1日の日曜日、恒例のニスモフェスティバルが富士スピードウェイで行われた。
当日はあいにくの小雨が朝から降りしきり、星野選手の引退を悲しむかのように私には映った。

日産ファン、星野ファン、モータースポーツ愛好者及び関係者の多くはレーシングカーの準備も
含めてご苦労様でしたと言いたい。私も昔は関係者の一人として裏方で支えていたから、
雨天大変さはよく解っているつもりだ。
屋外イベントは当日の天気で大きく左右されてしまう。快晴であれば傘もささずにもっと楽しめた
と思うが、こればかりは自然現象なので主催者も観客も身を任せるしかあるまい。
今回はフェスティバルであったが、真剣勝負のレース本番であれば、当日の天気によって大きな
ドラマが展開される。雨と言えばスピン、クラッシュの頻度が高まり、勝負の明暗を分ける。
一番のポイントはタイヤの選定とタイヤのマッチングである。その日の雨の量、気温にタイヤの
コンパウンドや溝パターン、溝本数&深さがどこまでマッチングするか。空力、サスペンションが
どこまでマッチングするか、ドライバーの腕が雨を得意とするか苦手とするか。駆動方式がFRか
FFかMRかなどの要素により大きく変わってくる。
昔のサニー、カローラ、チェリーの混戦レースであれば雨が降ったときは、FF方式のチェリーの
ブッちぎりの独走優勝の確率は95%と高まる。スピンに巻き込まれるか、トラブルが発生しない
限りは他の車の勝ち目はなかった。(FFシビックが参戦するのは、もっと後の時代)
私も富士スピードウェイは何十年ぶりで、パドックなどは昔の面影さえ見つけられなかった。
久方ぶりで元気な長谷見選手と握手、和田選手は車の調子が悪くルマン完走のCカーには結局
乗れなかった。ピット裏に行くと星野選手がピット上の控え室から出てくる所に遭遇、傘をさしてい
る私に気が付くと「入れてくれよ」と傘に入ってきて、そのまま50メートルほど離れた別の控え室
まで一緒に行くことになる。
二言三言交わした言葉は「長いようで短く感じるね」私は「今日の雨は星野さん引退の涙雨だね」
といった具合。
控え室のテントに入ると狭いテントは人であふれていた。高橋国光選手、北野元選手、砂子選手、
都平選手など往年のスーパードライバーの顔がずらりと並んでいた。
日産自動車を退社して15年は経つが、私がアタックレーシングの社長をしていることを知っている
のは辻本、星野、長谷見、和田、都平、亜久里選手くらいと思う。

高橋国光、北野元選手にもアタックレーシングをしっかり宣伝(?)しておいた。
恐らくアタックレーシングの噂を人から聞いても私の顔と一致しないと考えたからである。
最後に星野一義選手、長い間、本当にお疲れ様でした。
またゴルフで楽しくあそびましょう!
  
●2002/11/09
日産マーチe-4WDが当社のテストカーとして11月2日に納車された。今回はその「アタック流熟成過程」を紹介したいと思う。
新車を購入された人や、これから購入予定の人は是非読んでもらいたい。

まず最初に悩むことは慣らし運転を終了してからX1を添加すべきか、すぐに添加するべきか悩むことになる。BMWのように新車でも1年間オイル交換不要と言うメーカーもあれば1000km時に無料でオイル交換をしてくれるメーカーもあるようだ。理想的には納車と同時にエンジンとATF、パワステ、エアコンにX1を添加するのがベストであるが、出来る所から添加しても大きな違いにならない。私のノーマルのまま5〜6000kmテストしてノーマルデータを取ろうと考えていたが、いざ納車されると1日も早く添加したくて我慢できなかった。

納車翌日に実施した作業は次の通り。
秋晴れに恵まれたので9:30頃からボディーコート「雅」の施工を実施する。中性洗剤でサット洗った後に水で流して1H乾燥。「雅」を塗る。納車直後であれば、そのまま水拭きでも良いのだが、今回は遠方のディーラーで購入した為、高速を小一時間走ったので年の為中性洗剤も使用した。(脱脂の意味で)ポイントは外側だけでなくドアーやハッチバックを開け、柱やドアー内側などの塗装部分にも施工すること。内部は、とても綺麗だったので、いきなり施工してみたが何の問題もなく完了。1H乾燥後にタオルで水拭きして終了したのが12時丁度。作業時間は2時間30分と短い。ディーラーでボディーコートを依頼すると25000〜30000円かかるので、新車購入の人は自分での施工をお勧めする。新車で実施すると洗車とたいして変わらず満足度も大きい。1日経過した4日は一段と輝きを増しブリリアントブルーのメタリックが朝日に映えていた。

雅の乾燥を待っている時間を利用してATFにX1を200cc添加。今回のマーチのATは、前のマーチとは大きく進歩して変速ショックは少ない。ATはできるだけ早く添加して湿式多板クラッチの磨耗を防止する。D1を塗布するとパッド磨耗を抑制するのと同じ原理で耐久性を伸ばす効果がある。
 次にD1を塗布してブレーキの当たりを付ける。何と新型マーチになってローターのバックプレートが廃止されている。よくよく考えてみれば、表側の方が雨に当りやすいので本当は必要かもしれないが裏側のみにあるのは、おかしな話である。理由は原価低減であるが、無くても何の支障もない。かえって放熱性は良いかもしれない。バックプレートが無いと、タイヤも取り外す必要も無く、ハンドルも切らないで簡単にD1が裏側に塗布できてしまった。これは本当に嬉しい限りだ。こまめに塗布して何kmパッドが持つか試してみたい。
●豆知識:バックプレートがあってもバックプレートにスリット状の切り欠きを作れば、同様にカンタンに塗布が可能です。

エンジンにもX1を添加したいところだが、ぐっと我慢して一回目のオイル交換(何kmで実施するか悩んでいるが)のときアタックGPX1FSオイル辺りに交換してみようか思案中である。
早くも100km以上走行しているが例の排気管を指で触ってみると、ほとんどススらしいススはなく、ほんのわずかにうっすらと付着した状態で、燃焼の良さが解る。
●2002/08/27
今回は、雑誌などでは取り上げられることがないピット側の裏話を紹介しよう。

普通はスピードを上げれば上げるほど本能的に「怖い」という恐怖心が湧き上がってくる。
しかし、レーサーは特殊な人間で、反対にスピードに対して快感をおぼえ、恐怖感に麻痺している?と私は常々思っている。
現役時代、何人かの有名ドライバー(鈴木誠一、長谷見昌弘、寺西孝利選手)の助手席に同乗させていただいたことがあるが、練習走行ということもあり、鼻歌まじりで周回していた(それでもタイムはある程度出ている)極端に言えばタクシードライバーと変わらない。お客さんと世間話をしながら飛ばす、あの感覚である。そんなレーサー達であるから怖いものなど無いのかと思っていたら、あるドライバーは蜘蛛が大嫌いで、コクピットに蜘蛛が居ると車に乗り込めない。また、某レーサーは庭の草をむしろうとしゃがんで手を伸ばした所に蛇がとぐろを巻いていたので、心臓が止まりそうになり、立ちすくんでしばらく動けなかったとまじめな顔で言うのである。これを普通の人が言ったのなら、ああそうですねと言えるが、あの某選手から言われると、にわかには信じがたい。
時速300kmのスピードの方が私には遥かに怖いと感じる。逆に田舎育ちの私にとって蛇など恐怖の対象ではないのだが・・・(笑)
 
 
●2002/08/26
長年レースに携わってきたから、レースにおけるおもしろい事件やショッキングな事件にも多く遭遇してきた。
これらのトラブルは大別すると 1.メカニックが関係する場合 2.ドライバーが関係する場合 3.車が関係する場合 4.観客が関係する場合に分けられるが、今回はメカニックが関係する場合の話をしてみようと思う。

レーシングカーは一日にタイヤ交換を5回実施することも珍しくない。エンジン交換、ミッション交換、デファレンシャル交換などの大仕事でも、一日に1〜2回実施することが普通である。しかも、時間的に余裕は少なく大概は短時間で仕上げなければならない。当然、ボルトの締め忘れや、オイルの入れ忘れなど、大きな失敗も「ゼロ」ではない。大きな失敗をやればドライバーや上司の信頼を崩すことになり、主担当を外されて、つまらない仕事に回されてしまう。
レース中にタイヤが外れたり、ガス欠でリタイヤしたりするのも、その半分ほどはメカニックのミスが原因で発生する。大森ワークスとして正式に設立された当初は、日産の鶴見や追浜など各実験部署から人が集められ10人ほどで発足した。当然、レースメカニックの経験も皆無。
ある時、B110TSサニーを富士スピードウェイでテスト走行させたとき、ミッション及びデフオイルを入れ忘れて走行させてしまったメカニックが居た。

ここで問題。オイルを入れないで何周持ったか?
この珍しい耐久試験(?)の結果は、ミッションとデフでは結果が大きく異なっていた。

◎ミッション=約15周(富士スピードウェイ右回り4.3km)     症状:ドライバーが車が重く感じるとピットインした。
◎ デフ   =その後、コースに復帰して1コーナーの入り口付近  症状:デフが焼きついてストップした。

このことは何を意味するかと言えばミッションとデフの過酷度を表している。
ちなみにPGC110のGT-Rでは、ミッションオイルの油温が115℃に対し、デフオイルは165℃をオーバーする。対策としてアルミフィン付きカバーを取り付けたり油量を増大したり、ピニオンに強制潤滑でオイルを吹きかけたりした。それでもトラブルは完璧には押さえきれなかった。
そもそもエンジンの動力を90度曲げて伝達することは効率も悪ければ原始的な方法とも言える。一般の人が想像するよりも、はるかに大きな損失分でエンジン性能を大幅にスポイルしている。

アタックがエンジンオイルだけでなくギアオイルにも積極的に取り組んでいるのは「損失をいかに効率に結びつけるか?」を真剣に考えている結果である。
SR311フェアレデイのユーザーがアタックGEAR極オイルを使用した所、「エンジンが滑らかになってトルクが出るんだけど、どうしてなんだろう?」と盛んに不思議がっていたことがあった。エンジンを一生懸命チューニングしている人でも、そこまでは気が付いていない。
 
 
●2002/06/23
めったに会社を休まない私であるが4月26日(金)は会社を休んだ。NISMO時代の上司から電話連絡が入り、ゴルフのお誘いがあったからである。
3年振りのゴルフなので軽く2回ほど練習をして参加した。場所は御殿場の太陽カントリークラブ。ゴルフ場に到着するまでは雨が降っていたのに、スタート時間が迫る頃には快晴となった。
星野一義選手もメンバーだったが彼のゴルフは見掛けによらず?堅実なゴルフをする。自分でも皆から「手堅いね」と言われると言っていたが、素顔は堅実な性格。ゴルフはメンタルなスポーツ・ゲームだと言われるが、正にその通りだなと思った。
さて私の成果はというと・・・・
スタート第一打目で、星野選手を3〜5メートルオーバードライブ。ミドルホール2オンに成功、パーでホールアウト。星野選手もパーで上がる。星野選手はもちろん運動神経も人並み優れているので、ゴルフの腕前はシングルである。対して私は、3年振りという言い訳を用意したところで勝負?は見え見えである。
結局、星野選手は前半を1オーバー、午後を1オーバー、トータル2オーバーという見事なスコアで終了した。対する私は午前は48と、やっと50を切ったものの午後は強い風邪に翻弄され60台をマークした。1〜2ホールは勝てると読んでいたのに1ホールも勝てずに終わってしまった。
 
私の休日はゴルフクラブを握っているより、ステアリングを握っているほうが結果が良いようである(笑)
   
●2002/05/06
この前は消火器噴出リタイヤ事件の話をしたが、今回も、昔のTS110サニーレースの変わった事件をご紹介してみよう。
消火器事件は鈴鹿サーキットで発生したが、これから紹介する事件は富士スピードウェイで発生した。レース場内でエンジン交換やミッション交換、車両の点検などを行うにはピットなどが必要となる。また富士に降る雨は半端でなく凄い豪雨が降る。その凄さは一度体験した人でないと想像できない。バケツでこぼしたような状態で、最高に凄いときには、アッという間に当たり一面が10センチ以上の池状態と化した。そんな事情から、サーキット内に車が3〜4台作業出来る(収納時6〜8台)工場を設置してあった。つい最近までそのまま使用されてきたが、つい最近、富士のコースをトヨタ自動車が買い取ったということなので、どうなるかは確認していない。
 レーシングカーがコースを走行して、エンジン性能が悪いなど問題箇所が発見されたときとか、ファイナルギヤレシオがマッチングしないときなどピットに車を持ち込んでミッション交換とか、デフ交換とかを実施した。その日の走行が終了するとレーシングカーを工場に入れてトラブル箇所や問題点を修理したのち工場に収納して、須走にある旅館に引き上げることが日課となる。レースが開催される場合は、普通は木曜日に現地サーキットに到着し車を準備して走行を開始する。近場の富士や筑波であれば午前中走行可能であり、遠くの鈴鹿サーキットなどは午後からの走行となる。金曜日は全てのセッティングを終了して土曜日の予選に備える。予選前には車検が実施され車両重量を測定される関係から燃料タンクの燃料を空にしたり、ゼッケンやドライバー名を書き込んだりと、いろいろな仕事を全て完了するまで実施する。問題点が多かったり、エンジンの載せ換えなどの場合は朝方まで掛かることも珍しくはない。その日も明日の予選準備が終了して旅館に帰った。当時はのんきな時代でマージャンが許される風土で私も若かったので徹夜マージャンする体力があった。明日はどんなレース結果が出るのか?楽しさと不安が交差する。予選の朝は早い。普通は6時起床が一般的な時間。朝食もそこそこに富士スピードウェイに到着して、シャッターを開ける。エントリーしている車両は普通は2〜3台。工場に到着して朝の点検をしようとエンジンカバーを開けると、あああ!無い、シリンダーヘッド(ソレックスツインキャブ付)がそっくり無くなってちょこんとシリンダーブロックが下の方に鎮座した状態である。他の車のメカニックも騒いでいる。何者かが昨晩忍び込んで大胆不敵にも、大森ワークスのシリンダーヘッドを盗んでいったのである。進入口は窓ガラスが割られていたので簡単に進入できたと思われるが、工場まで入るには道路からだと、そうとうな距離がある。大きなレースや時代が新しくなると、警備員が保管されたレーシングカーを一晩中警備するが、その頃はまだそんな時代ではなかった。
 レーシングエンジンのシリンダーヘッドはエンジン性能の要と言える重要部分であるし、予選前だから、さあ大変! しかし、そこはワークスなのでスペアーエンジンは常時2〜3台は準備してある。エンジン交換をするのに最適なピットはあるし、精鋭メンバーは揃っているので、3人がかりでやれば20〜30分で作業は完了してしまう。当時のレーシングカーは配線も構造も簡単であるしエンジン交換など、タイヤ交換と同じように簡単な作業のひとつである。
 盗んだ目的は何だろう?ひとつにはポート研磨や燃焼室形状などの技術を知りたかった?または、高価なソレックスキャブやインマニなどが欲しかった。又は単純にワークスエンジンが欲しかったが全部は無理なのでヘッドだけ盗んだ。などが考えられる。犯人はずばり、レースをやっているアマチュアドライバーではないかと想像できる。それと言うのも、同じ工場で調子の悪い日産車を無料で修理するレーシングサービスも同時に実施していたので、日産愛好者なら工場にレースカーを収納することを知っていたからである。もちろんトヨタ車やマツダ車など、他の車を走らせる人たちも溶接機を借りにきたりと事情は知っていたがシリンダーヘッドはサニーしか付かないものだから残念ながら同じサニーでレースをやっている人だと思うのが順当なところだろう。盗んだヘッドで仮に優勝しても、一体何が残ると言うのだろうか?残るのはむなしさと後悔だけではないのだろうか?もっとも、こんな行動をする人だと後悔なんて言葉はその人の辞書にはないのかもしれないが。
 その事件以降、日産の富士ガレージの全部の窓には刑務所のような鉄格子がしっかりと溶接され、二度と同じような事件は発生しなかった。
  
●2002/03/23
レーシングメカニックを20年間経験してきた私は数々の珍しい経験をしてきた。エンジントラブルやミッショントラブルなどで、悔しいリタイヤを何度か経験している。そんなリタイヤの中で、世にも珍しいトラブルでリタイヤした「珍事件」を紹介しましょう。場所は三重県鈴鹿サーキットのフルコースで行われたTSカーレースで発生した。時は昔の話なので定かではないが、B110サニーが大活躍を始めた頃のことである。当然、日本一速い男、星野選手も出場しているが、他にも何人かのドライバーが大森ワークス(今のニスモ)から出場していた。その中に、歳森康師選手という関西出身の若手ドライバーがいた。結構ハンサムで桑島正美選手と少し似た感じの若手ドライバーだった。(今、どうしているのか解らないが)当時は結構有名であったが今の若い人で彼を知る人はほとんどいないと思われる。その歳森選手が突然ピットに飛び込んできた。ピットにいた全ての人たちは車を見て何が起きたのかすぐには解らず驚いた。なぜなら、車の中は見えないほどに真っ白で火災が発生したかと緊張が走った。歳森選手が停止した車から車外に転がるように飛び出してきた。白い粉の正体は、すぐに解った。その正体は、助手席フロアーに搭載されていた「粉末消火器が噴出した消化粉末」だったのである。落ち着いた歳森選手から事情を聞くと、レース中に消火器を固定していた金属バンドが外れて消火器が助手席を暴れまくるので左足で(4点式フルハーネスで身体はシートに固定されているので身動きできない状態)消火器を押さえて走っていたが、コーナーの横Gで押さえきれずに「ドン」とぶつかった途端にレバーが押されて消化粉末が噴出したという話であった。通常はバンドの上からガムテープなどで「外れ防止処置」を行うが、車検などで、万が一の際、消火器を取り外すのに時間が掛かるのでガムテープ禁止の場合もある。断っておくが歳森選手は私が担当した車ではない。腕の良いメカニックなら、あらゆる所に厳しいチェックを入れるが経験が浅く、洞察力が不足していると、思わぬトラブルに泣かされる事になる。どんな世界でも商売でも、経験は最大の財産なので私の車人生40年の経験は全てのアタック製品に色濃く反映されております。

   
●2002/02/08
毎回、X1の話ばかりなので、今回はちょっと昔の逸話をご紹介しよう。
先日、TVを見ていたら、後楽園球場(現:東京ドーム)の映像が出ていた。とても懐かしくなった。とは言っても私は野球でここに来るほどの技量は持ち合わせていない。クルマ屋はクルマ屋。私はここをレーシングカーで走ったことがある。

巨人軍のホームグラウンドである後楽園球場は、昔は天然芝であった。ここでシーズンオフともなると恒例の「巨人軍ファン感謝デー」が行われる。日産がニスモフェスティバルをFISCOでやるような感じだ。

私が日産大森に勤務していた頃の所属は宣伝部宣伝第三課で、モータースポーツを通じた宣伝活動を担当していた。単にレーシングカーを開発したり、参加するだけでなく、日産レーシングユーザーのサービス、オプション部品の開発販売及び技術相談、ラリーのサービスなど業務は多岐に渡っていた。そんな業務の中で、感謝デーのイベントとしてレーシングカーを走らせる要請が舞いこんできたのだ。

そこでTSサニー(B110)の大森ワークスカーを2台走らせることになり、私と仲間のMT氏がドライバーとして選ばれ東京ドーム(当時は後楽園球場)を走ることになった。走るといってもアクセル全開ではなく距離も2周するかしないかの短時間である。要望は「排気音を空吹かしかしして大きく聞こえるように・・」といった具合だから、わざわざ「日本一速い男」星野選手を依頼する意味はなかった。
走行パターンは右翼と左翼の入り口から入場して外野センターに二台が並ぶ。そこから右回りと左回りに分かれて走行し、ホームベースで交差して元のセンター位置戻り、前側をホームベースに向けて二台並んで停車するといった単純なものであった。
練習は前日に2〜3回行い、当日本番を迎えた。レースに詳しい人なら解ると思うが、丁度タイヤの山が無い「スリックタイヤ」が出始めた頃なので、天然芝の走行は凍りついたアイスバーンを走るのに似て非常にスリッピーであった。本番に弱い私は(内心はかっこいいところを見せたかった)練習よりも少しアクセルを開け過ぎてスタート直後に見事に一回転スピンしてしまい、ホームベースに行くのが遅れてしまった。予定ではホームベースで交差するはずだった。遅れを取り戻そうと少しオーバーペースでホームベースを駆け抜けた。私の目に一瞬映ったのは巨人軍選手がベンチで逃げ惑う姿だったが、何事もなく無事に終了した。今にして思えば、あそこでベンチに飛び込んでいたら大きな新聞沙汰になり、今のアタックレーシングもなかったと思う。

今でこそ、多目的用途で使用されている東京ドームだが、当時は野球場をレーシングカーで走るということはなかった。最近はクルマを使ったイベントもあるようだが、その先駆けの存在は、私とMT氏なのである。

●2002/01/19
アタックホームページのQ&Aの充実度を見て何を感じて頂けましたか?これで完成ではなく、これからまだまだ発展充実していきますのでご期待ください。
やるからには中途半端でなく、どこよりも優れた最高の物を提供するアタック開発ポリシーは、ホームページにも生かされています。
Q&Aは現在、今まで送られてきたお礼状、レポートを整理中です。何しろ10年間で約1000通近く貯まっているため、メーカーごとに分類する作業だけで一日掛かってしまいました。今後はメーカー、車種毎に検索出来るようにしたいと準備中ですがA4用紙に沢山書いてきてくれるので入力に莫大な時間を要するためまだいつからとここでは言えません。

 年に数回、アタックオイル又はX1を使用していたのに運悪く壊れる車があります。するとすぐにX1やアタックオイルが原因だと思う人が居ます。潤滑性能が良い物を使用して焼きつくことはありません。他の悪い製品とまったく違うのです。問題はどんな壊れ方をしたか?です。レースだとよく壊れるし、壊れたときに壊れた真の原因を突き止めないと対策は出来ません。壊れた部品を仔細に見ていくと真の原因が浮かび上がってきます。オイルや添加剤性能が悪ければ「焼き付き」の原因となります。部品が欠けたり、割れたり、折れたりするのはオイルが原因ではありません。メカニズムに弱い人は新車や、車検直後のパンクやライトの電球切れでも、故障と思って文句を言ってくるのと似ています。

アタック製品を使用することは「下手な保険を掛けるよりも安心」と愛用者は言ってくれます。


 自作アーシングを行うとき、エンジンのどこに取り付ければ良いのか?を聞いてくる人がいますが、チューニングはまずやってみることが大事です。
色々と試行錯誤することによって、始めて新しい発見が待っています。
本数も1本2本3本と増やしていく方法と、一度に5本又は10本付けてしまう方法があります。更に最初から10本を付けて、逆に1本2本と取り外して、どこで効果が悪化するか見る方法、また取り付け場所を色々変えて効果の違いを見つける方法などもあります。更に、配線の太さや材質の異なる物を比較するなど、やればやるほど奥が深いのが判る筈。すぐに市販品を購入してしまう人も多いですが、良い結果が出てもチューニングの真の喜びとは少し異なると思います。
私たちの年代は、遊び道具一つでも自分で作って遊んだ時代です。水鉄砲でも弓矢でも上手に作る腕を競い合ったのです。それが整備工時代も、レーシングメカニック時代も、アタックになっても生きています。

シリンダーヘッドのインマニ側(インジェクター近く)にアース線を取り付けた場合、インジェクター開弁効率が若干良くなり燃料が少し濃い目に感じる車種があります。その場合は位置を排気側に変更すれば大丈夫です。試してみて下さい。

  

●2001/12/4

「アタックはパソコンが嫌いなのでホームページは開設しない」とウワサが飛び交っていましたがやっと開設しました。
真実はあまりにも多忙なために時間が取れなかったためです。先に製品開発に全力を傾注してきました。
ここにきて優秀なスタッフが自然と集まってきて新しい動きを始めました。その成果は必ず目に見えて新しい年に花開くと思いますのでご期待下さい。

私の趣味は多趣味です。数えたら50種類ぐらいありますが生まれてからずっと続いている趣味が車です。
趣味が車で仕事も車、最高の人生を送っています。だから死ぬときも車と一緒にいたいと願っています。

アタック製品は、自分が欲しいから欲しい物を作ります。自分が気に入らなかったら販売しません。会社の片隅にボツになった変なものがたくさん保管されています。恐らく他社では喜んで販売できる性能かもしれませんが、アタックの性能基準は設定が高いので皆様の期待を裏切るものは販売できません。職人のこだわりです。不満足な結果が出たときは必ず原因が隠されています。ある修理屋さんが「X1は故障診断に役に立つ」と言っていました。つまり、「入れて直らなければ分解が必要で、分解してみると絶対直らないほど壊れているから・・・」だそうです。効かないときは、添加量が少ないか壊れている時です。
こう言いきれるのはX1の性能に絶対の自信があるからです。

これからも気がむくままに書きますので気軽に遊びに来てください。
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