第五章  研究開発と実車結果との落差について
 自動車メーカーの開発はゼロから開発が始まり、次第に完成された姿となって新型車を世に送り出してくる。その技術力は恐るべき力を秘めている。多額な開発費を掛け、新型車をリリースするのだから、ノーマルも捨てたものではない。しかし、全ての面で万人向けに振ったセッティングを採用することになる。また新型車の開発テンポは早く、時間との勝負、コストとの勝負となってくる。新しい技術の開発は100%満足な性能に到達しなくても、販売開始時期は待ったなしで訪れてしまうのだ。また、どんなに実験・試験方法が進歩したりコンピューターによる解析が進歩しても、市場での結果は実験結果と100%合致するものではなく、その想定の範囲外の事態が必ず発生する。また、経年劣化に関しては、短時間に過剰な劣化を起こさせて、長期間の劣化を予測する「推定値」でしかないので、実際に10年、20年経過した場合の経年劣化を考慮した訳ではない。メーカーの責任はあくまで保障期間であるから、その期間をクリアすることがひとつの基準になっている。だが、気に入った車を10年以上の長期間に渡って愛用しようとする場合には、メーカー保障を超えた期間の保守が必要である。また経年劣化は複雑で、使用される地域、保管場所の状態、メンテナンス等で状態は大きく変わる。例えば中東に輸出した自動車が数年後に、計器盤(ダッシュボード)に大きな亀裂が入ってしまうトラブルが多発したとする。メーカーはこのエリアでのダッシュボードの耐久性を向上させる等の対策を行い、次のモデルからはその対策を盛り込んだ製品作りをする。問題は一度把握した問題に対する対策(経験)も後進に継承するシステムが確立されていないと、熟知した設計者の配置転換や退職により、また新任者が同じ過ちを繰り返すことになる。
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5−1:実験DATAの持つ意味を理解する

 実験とは実験装置を使用し色々な側面から試験材を測定し数値データーを得ることである。試験方法や試験装置はべらぼうに高価格であるが実験で得られたデーターにより性能を把握し結果を知ることができる。結果が悪ければ改善を盛り込み、どの程度の向上が得られたかを再度測定し数値を比較検討する。一般の人は、その装置を一目見ただけで「凄い、確かな商品開発をしている!」と感激するに違いない。他の項目でも解説しているように実験と実車では大きく異なるケースも出てくることを認識しなければばらない。私自身でさえも、日産大森、ニスモ、オーテックジャパンではエンジンのベンチテストを行ってきた。また、エンジン性能試験がレースの勝敗を左右するほど重要な意味を持っていたことは言うまでもない。でも、実験の数値や対策を一歩誤ると実験結果は生きてこない。例えを上げるとチェリーX1-Rが1300cc(TS
仕様)で165馬力を発揮しエンジン音も甲高く、いかにも速そうな排気音を発していたがラップタイムは伸び悩んでいた。(見た目でも車の加速や伸びが感じられなかった)何年後かにエンジンを分解する機会に恵まれたがポート内径が驚くほど太かったのでその理由を一瞬で突き止められた。反対にポート内径は細いほど流速が早まり高回転も伸びるというノウハウを知っている技術者がいれば結果は違っていただろう。あまりにも最高馬力だけを追求したためと推定される。
 エンジンの耐久性能を高めたり、出力特性を変更したりする基本開発には試験の積み重ねが不可欠である。これらを一口に実験と呼んでいるが、商品により実験装置も大きく異なってくるように、実験で明らかになりやすい部分(パーツ)と実験では解り難い部分(パーツ)と出てくる。その中でオイルは実験による結果で判り難い部類に分類される。その理由は密室で連続的に行われる物理的現象であり、長期間にわたるDATAを必要とするからである。まだまだ100%解明しきれていない側面を持っている。新しい成分が出てきたり、反面使用できなくなる成分もあるので、絶えず代替品の確認実験が不可欠となってくる。このように実験DATAは、初期と中期の開発段階で非常に重要な意味合いを持つ。新しい成分の性質や添加率、他の成分との組み合わせの相性など基本的部分を把握する必要がある。この開発実験の基本は「同じ条件でテストする」ということが最も重要である。同じ条件だからこそ違いが解かる、また数値化(デジタル化)した時に意味あるものとなってくるのである。
 エンジンベンチテストで製品の性能をチェックすることになるが、どんなに長期間ベンチテストを重ねても、車両搭載での実際DATAとは異なってしまう。また、市場に出てからの実際の使用では、様々な人が様々な使い方をするので、私は沢山の実車DATAの積み重ねを重視している。経年劣化やドライスタートも実車で確認しないと気が済まない。ユーザーレポートも1枚が持つ意味と、100枚が持つ意味、そして1000枚が持つ意味とではその信頼性、信憑性は大きく違ってくる。そこから得られたDATAを分析してゆけば、自然と見えない性能が浮き彫りとなってくるというのが藤沢の考え方である。
 エンジン潤滑は、オイルパン形状、バッフルプレート、ストレーナーの位置、オイルポンプの構造や砥出量、オイル通路や穴の大きさなど、エンジン形式の違いで大きく異なってくる。実際走行ではオイルは横G・縦G・前後Gでシャッフルされ、気泡が発生したり片寄ったりする。ブローバイガスが発生し、混合気中のガソリン希釈も発生する。摩擦熱や爆発燃焼による温度上昇で油温が上昇する。ピストンやクランクシャフトも、熱の影響を受けて膨張収縮を繰り返し、設定されたクリアランスも変化する。エンジン回転数もアイドリングの低回転から最高回転までの間を不規則に上昇下降を繰り返し、しかも長時間にわたり連続して使用される。ホンダS2000の最高回転数は9000rpmと高いので、オイルは濁流のようにポンプで給油されている。これらの説明で何を伝えたいのかと言えば「こんな複雑な条件を試験機で100%解明することなどできない」と言いたいのである。
誤解を招きやすいので補足する。チムケン圧力試験機で圧力試験を行い、オイル潤滑の良否を判断する手法は一般的に広く用いられている。中には、このチムケン圧力試験機を「信頼できない試験機」「何もオイル性能が解からない」と否定する人もいる。この試験機は「圧力耐荷重と磨耗」を比較する目的の試験機なのだから他の要因が解からなくて当たり前であり、それ以上のものを求めるたものではないと割り切るべきである。オイル開発メーカーで使用されている試験機は更に複雑ではあるが、それでもオイルに関わる全ての性能を解明することはできないので数種類から数十種類の各種試験機を用いて全体性能を把握しようと模索している。それでも実走行との格差が生まれてしまうので私が試験機より実車テストにこだわっている理由が理解してもらえれば幸いである。どんな試験機によるどんなテストも、実際ユーザーが使用しての結果には適わないからだ。何故ならそれを最終的に評価するのは試験機ではなく、実際にその恩恵や被害を受けるユーザー自身だからである。
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5−2:生産車は全て同一性能ではない

 この項目を説明する上で車両による個体差が顕著な、マニュアルミッション(MT)を例としての話を進める。全く同じ10台の新車(MT)を乗り比べると浮き彫りとなってくるのが、不思議と1台1台ギヤの入り具合が微妙に違うという事実である。だが実際は、なかなかそのような機会には恵まれないので、ユーザーは「個体差」ではなく、「車両形式固有の特性」と判断するだろう。だから同一車種限定のオーナーズクラブなどに入会して、自分の車両より調子の良い・悪いミッションに出会うと「何故?」と疑問に思い、もし使用しているMTオイルが違えばきっと「オイルによる影響では?」と判断するだろう。他にもギヤ入りは状況(気温や走行直後、暖まってから、シフトダウン等)で変化してしまう事や、あくまでフィーリングの問題なので明らかな指標がない。ディラーから「こんなもんですよ」とか「新車ですから当たりがつくまで様子を見てください」と言われてしまったら、そのまま乗ることとなる。(だが、現実には渋いミッションは渋いままで不満が募るケースが多い。)
ではなぜ、生産技術や加工技術が進歩した現代で、こんな製品のバラツキが発生するのだろうか?MTは長い1本のメインシャフトに1速ギヤから6速ギヤまでが順に組み込まれている。ギヤとギヤの間にもスリーブなど他の部品が組み込まれる。こうして数10個の部品が組み込まれ、それがひとつの結合体として完成、初めて機能する。つまり1個1個の部品が良品の基準値内であったとしても、それが組み合わされることにより、誤差が積算され、結果がばらついてしまう。

構成部品A 誤差合計
グループ1 誤差 +0.05mm +0.04mm +0.05mm +0.04mm +0.05mm +0.23mm
グループ2 誤差 +0.10mm +0.10mm -0.08mm -0.02mm -0.05mm +0.05mm
単体部品での良品の限界が±0.10mmの各部品で、5個の構成部品を継ぎ足して、一本の棒を作るとする。
グループ1には最大+0.05mmの許容誤差のある部品が使われ、誤差の合計は+0.23mmである。
グループ2には最大+0.10mmの許容誤差のある部品が使われ、誤差の合計は+0.05mmである。
誤差だけでとらえると、誤差の大きい部品を使っているグループは1である。
しかし、結果として誤差が少ないのはグループ2である。製品として優れているのはグループ2となる。
故に、誤差の少ない同士の部品を集めたとしても、それで最終結果が良くなるとは限らない。逆に誤差の大きい部品でも、最終結果は良くなってしまう場合もある。
だから単体部品の良品限界を±0.05mmまでシビアにしても、グループ1は良品となり、グループ2は不良品なのである。
反面、完成品の良品基準を±0.10mmとシビアにすると、今度はグループ1は不良品となり、グループ2は良品である。
これをMTに置き換えると、一つ一つの単体部品の精度を高くすることは可能だが、完成品の良品基準である「フィーリング」となってしまうため、これを個体差として表現するしかないのが現状である。
更に1速とリバースはクラッチカバー&ディスクとエンジン回転も関係してくるので、これらの影響も反映される。ここにきて6速ミッションに柔らかい粘度が純正採用されたりホンダ車は、ホンダMTF(公表されていないが5W-30位のミッション専用オイル・または同等のエンジンオイル)が純正指定されている。この柔らかい粘度こそ(中味の添加剤も重要であるが)ギヤ入りを良好にするのに貢献しているのである。その理由はオイル粘度が固いとギヤとシャフトの回転差は減少し一体となって回転しやすくなる。同調(シンクロ)作用はシャフトの回転数に阻害されることなくギヤ回転数をシンクロさせたいわけだから、ギヤとシャフトはできるだけ切り離されてフリーの状態が良好なギヤ入りに理想的な条件なのである。

ミッションギヤ入りと異なって、これが新車のエンジン性能差となってくると皆目検討が付かなくなる。比較しようとしても走行距離が違っていたり、オイル銘柄が違っていたり、メンテナンスが異なっていたり、使用ガソリン銘柄が異なっていたりと完全な同一条件の車種を10台比較することなど不可能に近い。では生産ラインで1台1台パワーチェックが実施されているのかと問えば、答えは明らかで基準に合わせて1000台(生産台数により異なる)に1台という割合で抜き打ちでテストを行っている。全てのエンジンの馬力を測定している訳ではないのである。そして抜き打ち試験の結果が規定された範囲内に収まっていればOKということになる。もちろん収まっていなければ原因が究明され、その対策が盛り込まれると思われるがリコール対象でない限り、生産ラインは簡単にはストップできず、その間も製造は続けられる。
結論から先に言ってしまえば少しくらいの性能の違いは発生しており、またメーカーも問題にしてはいない。当然ながらカタログ数値の公表馬力と、自分の愛車の測定馬力が20馬力違ったとしても、それが生産不具合や、規格外品と断定することは不可能(理論的には可能であるが・・・)である。もちろん生産技術が進歩してゆけば性能誤差(バラツキ)は次第に小さくなってゆくだろう。一昔前には「当たり車」「外れ車」という言葉が存在したが、現在、その言葉が死語に近くなったのは生産技術の進歩の結果であるが決してゼロになった訳ではない。
note:
市販車のエンジンをベースにチューニングを施してゆくと、必ず出来の良いエンジンと出来の悪いエンジンとの明らかな差が浮き彫りとなってくる。チューニングを実施するとポート形状の違いや、バルブタイミングの微妙な違いなどが大きく影響してくる。しかし、シリンダーヘッドなどは1個の型から鋳造されるのではなく、複数の型から生産されるので、微妙に違う部分があったりする。改造範囲の狭いノーマル仕様を前提としたN1レースなどでは重大な要素となってくるが一般市街地を走行する普通の使用方法であれば問題にするレベルでなく何の支障もきたさない。
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5−3:専門家は過程も重視するがアマは結果のみを重視する

 何かの実験を一度でも経験した人なら解かることだが、実験には結果以外にもそのプロセス自体にもノウハウがたくさん隠されている。例えば海水から塩を作るとすれば、「海岸で海水をすくい持ち帰り、その海水を煮詰めて塩を作った」と略される。そして、塩がどのくらい作れたか?味はどうなのか?に最大の興味を持つだろう。しかしながら、その製作過程には「煮詰める」という行為が存在し、実際にやってみないと判らないことが数多く隠されている。最適な鍋の大きさは?火加減は?まきを燃やすのが良いのか炭火が良いのか?プロパンガスが良いのか?かき回す速度は?など無数のノウハウを本当は必要としている。多くの人は海水=塩が出来るで、過程のノウハウには注目しない。当然ながら初めて塩を作った場合と、何度も経験して「味の良い塩」を作った場合ではその過程に違いが出てくる筈である。

これと同じことがケミカルの開発でも言える。例として私のリリースしたMTオイルの開発エピソードを紹介する。
私がMT専用フルードの開発をした時には、結果的に5年の歳月(過程)を費やした。だが、消費者の関心は「どんな成分と原理ですか?差し支えなかったら教えて下さい」と問いあわせがくる。成分で効果(結果)が判るのであれば、5年間の過程など必要としない。10日間もあれば製品は完成してしまうことだろう。だが、現実には、ひとつの試作品のテストだけでも数ヶ月〜1年の期間を要した。テスト車両には使用前から良好な「当り車」ではなく、新車時に問題があった「外れ車」のMTを使用。ガンガンと攻めた走りや冷えた状態、温まった状態、これを長期間続けて(春夏秋冬)持続性(劣化具合)、経年変化、温度変化も一般使用と同じように見てゆく。当然ながら最初から最高の品物など完成しない。しかし、テスト結果を次回試作品に反映することを繰り返し、7試作目で、ようやく満足できる性能が確認できた。おもしろいのは最初は凄く入りが良くて「これは最高だね」と思って喜んでいると、タレが突然襲ってきたり、最初は「これはたいしたことがない」と期待していないと「凄く良くない替わりに、持続性に優れる」とかオイル性能曲線上で色々な変化が現れる。これが過程であり、その結果を見きわめて分析し、改良を加え、少しづつ最終的に狙っている目標性能に近づける。そして各試作品が完成すると、毎回あえて自社工場ではなく、ディラーに持ち込んでオイル交換を実施した。その理由は、このテスト車の販売先であり、実際に2回MTを不良交換(クレーム処理)を実施しているからである。故にこのMTのギヤ入りを熟知しているから、販売元からの意見もフィードバックしてもらえると判断したからである。そしてディラーのエンジニアは興味も手伝って、交換後に必ずテスト走行してくれ、率直な感想を述べてくれた。5回目の試作品あたりから「これは変わりますね」という言葉が出始め、試作7回目(販売品と同じ)の時には「エッ、ここまでやるのですか?」と素直に驚いていた。
[estremo ギアオイル 「疾風」 開発エピソード]より抜粋
このように成分=結果という単純なものではない。確かに成分の性質で、ある程度の性能は決まってきてしまうケースも見受けるが、それは昔の単独成分の古い時代の添加剤の話である。化学の進歩が著しく進歩していることはユーザーサイドにおいてでも、販売されているオイルの規格がSG−SH−SJ−SL−SMと短期間の内に切り替わっていることでお解りになると思う。だが、更に専門的なオイルの最新技術が世に出てくることは少ない。成分も複合化が図られ複雑化してきている。
添加剤の場合は更に事情は複雑である。一般的に広く「オイルに後から入れる製品の総称」として添加剤という呼び名が存在するが、オイル自体にも最初から沢山の添加剤が入っている。これらの添加剤を総称して「内部添加剤」と呼ぶ。これに比べると前出の後からオイルに混ぜる添加剤を「外部添加剤」と呼び区別している。しかし、内部添加剤で使用されている成分と外部添加剤として販売されている成分とが、実は全く同じ成分である場合もあり、単純に区分けしたから解かり易くなるものではない。年代的に一番古くから産業界で使用されてきた添加剤として、無機モリブデン(二硫化モリブデン)がある。ある程度の効能が認められ、盛んに使用されてきた背景を持つが、化学が進歩しエンジン性能やオイル性能が飛躍的に高まった現代においては自動車用としては、いささか時代遅れの性能と言わざるを得ない。モリブデンと言う言葉は同じでも、無機モリブデンが灰色のペースト状をしているのに対して、有機モリブデンは黒褐色な液体で、当然ながら性能も無機モリブデンよりは少し高まりペースト状よりもデメリットは少ない。10数年前より有機モリブデンは様々なケミカルメーカーの外部添加剤として販売されてきたが、近年では自動車メーカー純正オイルにも内部添加剤として採用されているケースも見受けるようになってきた。ただしコスト優先なので優秀な成分と比較してしまえば性能的にははるかに落ちてしまう。またバイクなどの湿式クラッチに有機モリブデン配合のエンジンオイルを使用すると湿式クラッチが滑ってしまうというトラブルも増加してきている。だから添加剤嫌いの人が盛んに外部添加剤を否定する理由もここにある。しかし自動車メーカーでも、有効な成分でコストがクリアでき、一定条件が揃いさえすれば採用されるという良き例である。この背景にはエンジン出力の向上や、エンジン最大回転数が更に高まったことにより、従来のオイルでは対応できないという問題が発生し、それを補う必要からリリースされたという背景は理解出来る。
note:
有機モリブデン配合に至るまでの過程
一般消費者は有機モリブデン配合だけで全てを判断してしまい、ベースオイルや他に配合されている成分には関心を示さない。もっとも関心を示してもどうなるものでもなく解説されたとしても一般的に知らない成分を言われたとしても、それがどれだけ有効かなど簡単には確かめようがないので意味が無い。私のような技術屋は有機モリブデン配合に至るまでの開発過程の試行錯誤の時間が一番楽しい時間となる。目標とする結果が得られてしまえば興味は薄れ、新たなる目標を見つけなければ生きてゆく楽しみが半減してしまう。誤解しないで欲しいのは結果を無視するという意味ではない、結果は結果として出てくるものだから否定もしないし尊重しなければいけないが必ずそこには過程が存在し開発では過程が重要でノウハウが蓄積できるというのが私の経験から悟ったことである。私も消費者となれば立場は変わって当たり前だが結果(性能)を重視する。最善の性能を追求している私の性能基準には有機モリブデンの保有性能は魅力を感じさせない。ただ低価格製品には盛んに使用されている成分である。
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第六章 潤滑を掘り下げて考察する