●2007/12/27
今年も残すところ僅かになりました。弊社製品ご愛用を頂いている皆様方には大変お世話になりましたことをこの場を借りまして深く感謝申し上げます。すべてはお客様のご満足が得られますよう社員一同心掛けておりますが充分に行き届かなかった部分も幾つかあるかと思われます。来社のおりでも、ご意見ご希望を伝えてくださいますれば前向きに検討させていただきます。ご来社されたお客様との、なにげない会話の中で「!」と急にアイデアやヒントを得る場合が多々あります。実際に使用され体験された中での体験談の中に自分では感じなかった新たな発見をさせていただく場合もあります。世の中には上には上があるものだと思い知らされる出来事がありました。つい最近の注文の電話の中で、「新車からオートマにX1、エンジンにエストレモオイルを使用してきて現在、48万kmになった」と言うのです。「車種は?」「日産プレサージュ」「ATはオーバーホールしたのですか?」「新車からオートマもエンジンも一度もOHしていません」「ATFは何万km毎に交換しているのですか?」「新車からX1を添加して5万km毎に交換しています」「凄いですね」と逆に私の方が驚かされました。現在の調子も燃費もすこぶる良いそうで、年間走行距離が5万kmと多いという話なので、この方にとってなくてはならない製品に違いありません。ネットで検索すると、X1を一度も使用されない方の中には「オートマは複雑な構造なので添加剤など入れたら怖い」とか疑心暗鬼になられる方も見受けます。どんな物でも実際に体験していないと怖さが先に立つものです。私は実績しか検証していませんので、エストレモを使用していない車は逆に怖いです。エストレモを使って初めて安心して車を運転できます。まだまだ、新しい発見をしていますので出来る限り製品に反映させ、皆様方の期待に答えて行きたいと願って年末の挨拶と致します。1年間ありがとうございました。
皆々様にとって良き新年となりますよう祈念致します。

45年前のトヨペット・クラウン、弊社製品使用レポートと写真が送付されましたので、掲載させて頂きます。

前略
5月21日に貴社H/P「藤沢名人の部屋」に載せて頂いた者です。この度、5月のリポート後の報告。特に顕著な効果が出た貴社オリジナルオイルについての報告させていただきたく、又、私の愛車の写真も合わせて載せていただければ、なお嬉しいなと思い送付させていただきました。愛車は昭和38年式 トヨペットクラウン・デラックス(以後、型式のRS41とする)です。これまでは、旧車用オイルを使わねばと思い、○○○○○○(20W-50)を使用。それにX1を15%添加しました。それでも顕著な効果があって高速でも110km/h位は出ました。2004年頃、試しにとHDX1の極を使用。するとどうでしょう、以前のオイル使用時より早く効果を実感。それだけでなく、アクセルを軽く踏むと100km/hに、すぐに達しました。まるで異次元の世界です。じゃあ何故、04年以降、HDX1を使わなかったというと、夏場に10W-40では、オイルダレをしてスタミナ不足になるのでは?と心配した為です。そもそも、この時代の車は、ピストンクリアランスが広いので固い鉱物油が求められます。但し当地、秋冬は固いオイルではクランクに抵抗が掛かるので10W-40で丁度です。しかし、今年に入り、○○○○○○・○○○○○の入手が難しくなり、又、廃油処理車(一度使用したオイルを再利用)平成4年式クラウンが廃車になり、この際、オールシーズンHDX1でやろうと考えました。更に今年は予想もしなかった酷暑、広報に「過酷になればなるほど強さを発揮」を信じ利用しました。結果、オイル喰いはあったもの(補充をしたが)心配してたオイルダレはなく楽々乗りきりました。更に、私の車、純正トランククーラー付きで、コンプレッサーは世界最大級、エンジンにとって更に過酷ですが、それにも、めげる事はありませんでした。
 それだけでレポートは終わりません。東京、千葉、新潟と、かなり遠距離を走り、毎回高速走行したが、驚いたことに000km/h+20km巡行が楽でした。エンジン回転は滑らかそのもので、抵抗が感じず、音も静か、お陰で車内ではラジオ(AMのみ)がストレスなく聞け、大好きな大相撲も楽しめました。今も相変わらず、エンジン本体はノンOHで、一定区間で120km/h走行はやめてます。それでも、合流での加速で一気に90km/hまで加速、又、追い越しも000km+30km/h位で難なくできます。これが45年も前の車だとダレも信じないでしょう。
 他の製品では、これまで、ガソリン添加剤V7FS,G9FSは余り効果の実感がなかったものの、HDX1をメインにしたら、やはり黒煙が減少し、燃費も良くなりました。かなり相性がいいです。LLC添加剤は、今年の様な夏には大活躍です。クーラー使用もかなり長かったが水温上昇さほどでもなく、ほぼ一定でした。改めて凄いと思った所です。2002年より愛用させて頂き、丸5年以上になりました。RS41の全身はX1漬けで、年々調子が良くなって居る事は、かなり強く実感します。又、この1年で、どの位走ったか調べてみたら、な、なんと8000キロでした。40年を軽くオーバーした車だが全くトラブルなく、日本の平均的オーナードライバーの1年間の走行の1.5倍も走っており、皆にたまげられてます。(足車のグロリアバンは年間4000キロだった)
使用開始は95226kmからで、12月22日現在の走行距離は124706kmです。使用を始めてから29480km走行。




●2007/12/15
冬が到来し放射冷却で朝晩が冷え込み霜が降りるようになると、それまで酷暑を乗り切ってきたバッテリーが突然バッテリー上がりしてしまってセルモーターが回らないトラブルに遭遇する。会社の車も1台ではないので全体に気配りし順番に乗り回すようにしているが中には1ヶ月間の放置テストになるケースも出てくる。これだけガソリンが高騰しエコが叫ばれる現状から、エコに協力する気持ちも強いので自然と排気量の少ない燃費に優しい車が活躍することになる。そんな背景を踏まえてベンツ560SEC(AZX1極からBRX1極に変更してテスト中)も長期間放置していた。「たまに動かさないとバッテリー上がりしてしまう」と思い、IGNスイッチをON。あざ笑うかのようにセルモーターは短く「カチャ」と音がするだけでエンジンは少しも回らず始動できなかった。つい半月前にゲンロク誌の取材があり、その際は何事もなく始動し無事に取材を終えたばかりであるというのに。一番のダメージは気温の低下と、たびたび長期間の放置状態にあったことが原因だろう。放置状態が短く頻繁に車を使用している車ほどバッテリーは長持ちするというのが私の経験で言えることである。そこで、今回はバッテリーとバッテリー上がりの対処法について私なりの経験を語ろう。

現在の車はコンピューター制御、オーディオ、カーナビ、エアコン、照明、ETC等、電気に頼る率がどんどん高まってきているのでバッテリーとオルタネーターに対するウエイトは高まるばかりである。だから安売りのバッテリーよりも高性能バッテリーを購入したい。しかし、鉛価格が急上昇した余波をもろに受け販売価格は大幅に値上げされた。従って安売品を購入するなら積載スペースに余裕があれば1ランク大型の物に載せ替える方法もお奨めできる。もしバッテリー上がりをしてしまったら、バッテリーブースターケーブルによる他車からの供給で始動させることになる。そのポイントを以下に述べる。

1:まず、ブースターケーブルが安物だったり軽四輪用だと線が細いので大型車に使用すると、容量不足で始動が難しい。線が熱くなってしまうこともあるので注意が必要だ。その場合の対処方法は、1セットでなく、同じように、もう1セットを連結する。つまり、マイナス線が2本、プラス線が2本をダブルで取り付ける。基本的には、赤線をプラス側、黒線をマイナス側に取りつける。これが誤配線を防ぐコツ。安物だったら、グリップを生かして線そのものをオーディオ用コードを購入してきて取り替えてしまうと良い。オーディオ用コードはアーシングなどで盛んに使用されている。太さも6mm、8mm、10mmなどサイズがあるので、出来るだけ太い線をお奨めする。大手自動車用品店に行けば、多くの店に在庫が置いてある。
2:ベンツ560SECには国産車には見られない大型のバッテリーが使用されている。これを軽四輪車のバッテリーと連結し、エンジン回転を2〜3000回転に高めておき(誰かにアクセルを踏んでもらう)試してみるとセルモーターは、まったく動かない。この例が示すように、大型のバッテリー積載車で小さなバッテリーを積載した車を始動するのは簡単であるが、大型バッテリーだと、電気を譲ってもらう相手側のバッテリー容量がある一定以上の容量が無いと、たとえ、エンジン回転を高めていても始動は困難となる。次にマーチと連結してトライした。エンジン回転を高めて、何とかセルモーターは回り(本来の回転には遠いが)かろうじて始動に成功した。

一度バッテリー上がりした大型バッテリーは正規に充電しても、ほとんど回復しないことが多い。今回も8時間の普通充電を行い、その直後は勢いよくセルモーターが回ってエンジンは始動したが、案の定、一晩放置した翌朝になったら、元通りに戻って、セルモーターは回らなかった。従って、バッテリー交換に至ったが、購入価格は2倍近くに高騰していて驚いた。普通の車のエンジン始動はセルモーターを回す、セルモーターが「キュン、キュン、キュン」と2〜3秒回ってからエンジンは目覚める。ところが、ベンツ560SECの場合は、IGNスイッチON,1秒も掛からず、ONと同時にエンジンは一瞬で目覚める。この未知なる感覚は始めて乗ると感激する。セルモーターの回る音はゼロに近い、回ったという感覚はゼロ。ONと同時にエンジンは目覚めている。これが正常な状態で、ベンツ以外の車では一度も味わったことがない感覚である。この状態が普通なので、他の車と同じように2〜3秒間セルモーターが回ってからエンジンが始動するときはスパークプラグを含め、点火系統と燃料系統の劣化や不具合を点検したほうがよいだろう。

話は変わるが、株式会社 三栄書房様より発売されている「カーグッツマガジン」をご存知でしょうか。この雑誌の2008年3月号(発売は2008年1月27日)特集記事として「カーグッツ・ベスト100」という企画で編集部お墨付きの良品を100アイテム厳選して紹介するようです。そこでメンテナンスケミカル部門にマジカルストップがノミネートされました。最終結果は雑誌発売まで解りませんが発売以来、2万本出荷するヒット商品となりましたことをこの場を借りてお礼申し上げます。また、自動車関係のサイトでCORISM(コリズム)をご存知でしょうか。新車の紹介や試乗記、グッツテスト記事などが多くのライターにより構成されております。弊社のマジカルストップ+D2のテスト記事も外川 信太郎ライターがドイツ車のオペル・べクトラで実施して掲載されました。速度無制限アウトバーンのある、お国柄なので、ブレーキの効きには定評のあるドイツ車ですが時速50kmでのフルブレーキテストで約5メートル、制動距離が短縮されるという結果が出たようです。緊急事態の際、たとえ10cmの差でも衝突してしまうのと避けられたのでは大きな違いが生じます。今回は50kmでのテスト結果でしたがスピードが高まれば高まるほど、更に短縮距離の違いは大きくなってゆくと予測できますので、大きなアドバンテージが生まれてくることが浮き彫りとなりました。普通の使い方では効果が解りずらいという評価をする方も見受けますが、いざという時に「使ってて良かった!」と感謝することでしょう。興味のある方は一見の価値ありです。
アドレスは
http://corism.221616.com/articles/0000072020/
  
●2007/12/1
12月8日発売のオートメカニックに当社の取材記事が掲載される予定です。今回はオイル特集という話なので興味のある方は見てください。レガシー(型式BG5)17万kmの車をレポーターが実際に運転して好調子を実感していただきましたので、どんな記事になるか楽しみです。それが記事になって、どこまで未使用者に伝わるかは使った人なら先刻ご承知のごとく難しい面もあります。同様に外車専門誌のゲンロクも取材に来店してくださいましたので、ベンツ560SEC(型式W126)、113000kmの長期試験車をぜひとも味わって実際に体験していただくのが一番と、レポーターに撮影を兼ねて運転して頂きました。ゲンロク誌はご存知の方は内容を知っていると思われますがフェラーリ、ポルシェなど高級外車がメインの雑誌です。当然ながら、ベンツ560SECよりも、フェラーリの方が相応しいかもしれません。生憎と、フェラーリ328はオルターネーターが壊れてしまい、自分で修理中だったのでベンツ560SEC(1990年頃)の出番となりました。しかし、ベンツ560SECも発売当時の価格は、家一件分に相当する1465万円(税抜)もする超高級車でした。Sクラスという大型ボディで2ドアーハードトップというだけで贅沢さがわってきます。エンジン排気量はV8:5600ccと大型です。妥協を排除し、こだわって作られた最後のベンツとも言われる型式です。当然ながら、新車では買わない(買えない)ので5年落ち、4万km走行車を100万円代で手に入れて、10年間が経過しています。車輌重量1720kgもありながら定員4人、カタログ燃費は、10/15モード 5.4km/リットルとなっていますが、私の荒い運転で、カタログ燃費を下回ったことは、ほとんどありません。常に7.0km/リットルをマーク。少し高速が多ければ7,5km/リットルが普通ですから実に39%も高く信じられない燃費を常にマークしています。最高馬力285PS,最大トルク44.8kg−mを誇るので、ドライ路面でもホイールスピンすることがあります。
 話は変わりますが、おもしろいもので、添加率の問い合わせが来ると、何件か同じような質問が重なったりします。オイル消費に関する質問が来ると、何件か重なることがありますが、それを過ぎると半年間、何も来なかったりします。しかし、エストレモのような超ロングライフを誇るオイルは、そうそう見つからないと思いますので、ある意味では宿命的に「オイル消費」との縁は深くなり、疑問点も出てくると考えられます。燃費とオイル消費、オイルライフは簡単に言いきれる問題ではなくて、見えない内部構造や色々な条件が相互に関連する複雑な背景が隠されております。間単に解説すると、かえって誤解や混乱を招く恐れがありますので当社HPの画面下にある「藤沢公男の提唱する進歩的メンテナンス術」の第十三章 エンジンオイル消費について深く掘り下げて考察してみよう ということで追加しようと準備中です。ほぼ、下書きは終了しておりますが見直しをしてからアップしますので3〜5日後にはアップできる予定です。オイル消費で悩んでいる人は一度じっくり読んでくださることを推奨します。どんなに詳しく解説しても文章をどう受け取るかは人によって少し違ってしまうようです。勿論、難しいところを文章で伝える難しさ、もどかしさがつきまといます。だから、短い文章の一節だけ取り上げるのではなくて、前後の文章全体を通して、何が伝えたいのかを汲み取って頂けたら、オイル消費に直面したとしても冷静に対応できることでしょう。先に、ここで結論を書いてしまうと「オイルが減らない車と減る車とあるが、時々、オイルレベルを確認する習慣をつけよう。減らない車も走行距離増大に伴い、どこかの距離でオイル消費が増えることが起きる。オイルが減る車はオイル消費を把握し、消費した分のオイルを補充しよう。オイル消費が多くても滅多に故障ではないので、オイル交換の時に少し固めの粘度に変更し様子を見る。根本的な改善はOHする以外に手立てはないのだから・・・。」
たった、これだけのことでも詳細に要因や原因、構造的な話を解説すると、A4紙で12ページを越えてしまう。それでも少しでも皆様に難しい話が伝わってくれれば嬉しい限りです。エンジンを分解してピストンやシリンダーを見る機会等、一般の人は、ほとんど無いのだから。でも、オートメカニック誌を見ていると、エンジンOHの記事が頻繁に企画されていて,ピストンを含めた内部を写真で見ることが出来る。新品のピストンではなく走行距離が多いピストンを見ないと解らない。

オートメカニック誌2007年9月号 187ページから193ページの7ページに渡って、カラー写真満載でBMW318・13年経過(走行6万km)のエンジンOH写真が載っている。188ページの見出し文句は「金属部品に深刻な劣化は見られなかったが気になるリングのスラッジ・・・・・」本文中にも「リング自体には劣化・磨耗はないが、頑固なスラッジが付着していた。」また「セカンド・リングのリング側面のステップ部分にはカーボンが焼きついていた」とある。条件にもよるが5万km過ぎるとピストン上部及び側面、リングの隙間にギッシリとスラッジが体積してくる。これが原因で、どこかの距離からオイル消費が増大することになる。これはエンジンを完全に分解し、固くこびりついたスラッジを除去しなければ根本的に完治できない。暫定処置としてワンランク固い粘度の物に変更すると少しは改善される。詳しくは、第十三章をじっくり読んでから、中古ピストンの写真を観察していただくとオイル消費の要因がそこに隠されていることがつかめるかもしれません。



●2007/11/14
最近の話題はデフオイルの話が続いているので今回もデフに関係する話をしましょう。オイル交換は一見簡単な作業に思いがちである。確かに愛車のオイル交換を自分で実施するサンデーメカニックも少し前は沢山見受けられた。オイル総量が何リットル、オイル粘度は幾つ、ドレーンプラグのサイズは何ミリで、どこに付いているかが解っていれば、ドレーンが傷んでなければ、それほど難しくはない。反対にまったく情報が解らない車もオイル交換に来社する。車種によっては、オイルを少し多めに入れたほうが良い車と、少し少なめに入れた方が良い車があったりする。特殊なオイルを使用していたりする車種もある。特殊と言っても純正粘度のスペックが解れば対応できる。また、構造が解れば対応出来る。どんなことでも同じだが、一度でも経験してしまえば2度目は大変楽になり失敗の確率も下がる。「たかがオイル交換、されどオイル交換」簡単な作業だとバカにしてかかったら手痛いしっぺ返しを食らう。注意深く観察しながら作業を進めることになる。

 この間、新型パジョロ・ミニ、走行3000kmが来店し駆動系(MT、トランスファー、フロントデフ、リアーデフ)オイル交換作業を実施した。取扱説明書のオイル総量は
MT=0.9L
トランスファー=0.9L
フロントデフ=0.8L
リアーデフ=1.14L 
であった。
お客様とも相談して、MTとトランスファーは疾風-極。フロントデフとリアーデフにはGEAR-極を使用することに決定、作業を開始した。
作業を進めてゆくと必ずしも取扱説明書のオイル総量とピッタリと一致しないケースも出てくる。その多くの原因として、エンジンオイルはタラタラと長時間垂れてくるために即座にドレーンを取り付ける場合と、10分間または長時間放置しておいてからドレーンを取り付けた場合では0.1〜0.3L位の違いが出てきてしまう。この他の要因として車の水平度も見逃せない。一般的な駐車場などは水はけを考慮して少し傾斜がついている。このように、あまりにも総量が食い違う場合は何らかの原因が隠されていると見るべきだ。ミッションだとケースの形状が変更になっていたりする場合もある。

今回のパジョロ・ミニを当社のリフト(トヨタ販売店で使用されているリフトと同型で車体を持ち上げるタイプ)で持ち上げてから、リアーデフオイルを抜き取り、新油を注入すると0.8リットルしか入らなかった。説明書の総量から0.3リットルも少ない。エンジンオイルであれば総量が4リットルとか多いので0.3リットルの違いは大きな問題とはなりにくいが、デフオイル総量は元々が少ない訳だから、その違いの原因を解明しないでお客様にお渡しする訳にはいかない。そこでスタッフ一同、車を詳細に観察するとボディは水平であるがリジッドアクスルタイプ(デフが車軸と一体型)なので車輪が下がると同時にデフもスイングして下がっていることが影響しているのではないかということに気がついた。これは2柱リフトで車を持ち上げても同じことが起きる。ニスモの時は車輪が乗った状態で車が持ち上がるタイプのリフトだったので、B110サニーなどのリジッドアクスルタイプのデフオイル交換でも何の問題も起きなかった。但し、車輪を持ち上げるタイプのリフトだとタイヤ脱着作業は出来ないから、どちらも一長一短で、両方あるのが理想的となるが一般的には設備費や設置場所の問題に有利な2柱リフト全盛である。

そこで一旦、走行状態にするべくリフトを降ろしタイヤを設置させ、この状態でオイルを入れると、見事に0.3リットルが追加され、総量は1.1リットルとなり一同納得した。自分でガレージジャッキなどで作業を行う場合は四輪を持ち上げ「馬」を掛けてからデフケースをガレージジャッキで車体が浮く寸前まで持ち上げてオイルを給油すると間違いないだろう。スロープに後輪を乗り上げて作業をする場合は反対に多く入ってしまうので取扱説明書の規定量を入れることにすれば簡単に出来る。まあ、デフオイルは少し多くても少ないよりは問題が起きないが・・・。
デフが車体(シャシー)に固定されている4輪独立懸架方式であれば、このような問題は発生しない。注意を払わないで作業を行うと、たかがオイル交換でも落とし穴が待っているという好例であろう。
 
 
●2007/10/31
私は仕事も遊びも趣味も、あまり境目がありません。何か新しいことにチャレンジしていると、どこかで繋がって、後で仕事に生かすことが出来ます。精神的に老けないコツは幼き頃と同じように興味と好奇心を持つことと感動できる心を常日頃、持つことが大切なのではないでしょうか。そんな気持ちが強いので雑誌や新聞などで新型車発表の記事を見つけると試乗したいという気持ちが強く湧き上がってきます。実際は仕事と遊びで手一杯で、なかなか試乗に出かけられる時間は取れません。私にとって、特別に好きな車も沢山ありますが動く物は飛行機でもヘリコプターでもラジコン、耕運機、芝刈り機、ゴーカート、船舶、模型、その他、何でも興味が尽きません。1台の車を毎日乗る生活と、毎日違う車を乗る生活とでは大きな違いが生まれてきます。整備工時代は日産車ばかりでなく、あらゆる車に乗る機会がありました。整備依頼車の引き取り、試運転、納車で運転しなければなりません。すると短時間の運転でも、その車の長所・短所を把握できます。昭和30年代後半の時代でしたから、皆さんの知らない車種も沢山あります。日産車はブルバード310、410、セドリック縦目、横目、商業車はダットサン・キャブスター、キャブオール、ライトバン、ジュニア、プリンス・グロリア、スカイライン初代、シルビア初代、フェアレデイSP310、トヨタ・クラウン観音開き、コロナ、ハイエース、ヒルマンミンクス等等。まだまだマイカーを自分で持てるとは思えない時代で月給は2万円以下でした。フェアレデイSP310・1600ccが記憶では85万円位の価格だったのではないでしょうか。
その後、日産自動車に入社。日産大森時代は、新発売された新型車に真っ先に見たり乗ったりする機会が多く訪れました。なぜなら、大森は宣伝部宣伝第四課に所属し、宣伝の一環としてモータースポーツ活動を行っていたからです。そんな関係で、当時は、フェレディSR310/311(2000cc)、サニー1000、サニー1200セダン、クーペ、バイオレット、チェリーX1-R、ガゼール、Z432など色々な車に乗る機会がありました。勿論、レース活動の出張も多かったので長時間の運転もありました。レース車輌は日産陸送のトレーラーに2〜4台積載して運びますが、スペアーエンジン、MT,デフ、タイヤ、工具などは通常は2台のパネルバン(3トン車のロングボディ)に積んでメカニックが運転してレース場に行きます。普通免許で運転できますがロングボディのアルミ荷台ですから大型トラックより一回り小さい位のビックサイズなので神経を使いました。鈴鹿サーキットも2人で運転を交代しながらよく行ったものです。
現在はオートマ車が多いので違う車に乗っても、それほど戸惑いはありませんが、当時はMT車全盛だったので、クラッチの繋がる位置が大きく違いました。また、MTのシフトもバックギヤに入れる際に、トヨタ・カリーナなどはレバーを上に引き上げてバックに入れます。反対に下側に押し付けるタイプもあります。それを即座に見分けて運転しなければなりません。また、当時はブルーバードがラジエターグリルにフルシンクロというエンブレムを付けていたのに対して、トヨタコロナはノンシンクロだったので、1速ギヤに入れる際には、ブレーキを踏んで完全に車を一時停止させないと1速ギヤは、ガリガリ音が出てギヤは入りませんでした。その後、友達が購入したロータスヨーロッパに試乗させてもらった際は、運転席に乗車する際に狭くて大変でした。クラッチの繋がる位置はレーシングカーのようにデリケートだったがエンストもさせずに発進できました。その理由は、大森時代にレーシングカー(TS仕様)をトレーラーに積載しなければなりません。レースに行く前に積み込んで、サーキットで降ろします。レースが終わったら、同じように積載車に積み込み、会社に帰ったら、積載車から降ろすのもメカニックの仕事でした。この作業は運転の技術が必要とされたので、腕に自信のある数人が主に行っていましたが、私もその内の一人で進んで引き受けていたからです。レーシングカーはハイカム仕様ですから低速トルクがありません。クラッチも強化クラッチでしたが、上部に積載する際は、スピード付けて登らないと登って行きません。途中で停車してしまったら、無理に発進するとクラッチを痛めてしまいます。車幅感覚を把握しタイヤ位置を把握して少し勢いを付けて登りますが急坂と同じで眼前に空だけが広がります。上部の先頭車は運転席の真上に載せますから、空中に飛び出す感覚で進みますから慣れないと恐怖心で固まります。あまり勢いを付けたら全部のタイヤを落とし込む所から飛び出す恐れがあるので最後はゆっくりとガクンとタイヤを落とし込みます.
今回、日産大森時代を取り上げたのには訳があります。この間、和田孝夫選手が「TSマシン列伝」という名称のDVDを持ってきて私にプレゼントしてくれたからです。「藤沢さんに似た人が写っている」と言うので見てみたら確かに大森時代の私も写っていました。このDVDがどこで販売されているか解りませんが発行所は轄u談社 価格は4980円(税込)
B110サニー、KP47スターレット、SB1シビック、チェリーX1RなどのTSカーが登場します。当時の日産ワークスカーのゼッケンのほとんどは私が手書きで書いたものです。勿論、和田孝夫選手も登場します。昔の富士スピードウェイ、右周りの30度バンクも懐かしい映像で見ごたえがありました。興味のある方は探してみてください。

話題は変わりますが雑誌のテスト記事などは、編集発行の関係で、その後の経過報告は掲載されないことが多く、添加直後の結果しか載らないために、即効性に優れる製品(このような製品は持続性に劣る傾向を示すことが多い)が高評価を得る。本当は持続性に優れる製品がメリットも大きく結果的に安くつくことが多く長期使用のレポートこそ大変に貴重だと重く受け止めている。

前回,紅に交換、デフドレーンプラグの画像を送付(10月1日掲載)頂いた方から、再度、その後のレポートを頂いた。ありがたいことです。

本日、紅に交換後初めて高速道路を走行しましたので燃費を計測しました。
結果は、12.6km/Lでした。(満タン法による計測)
車はH12年式のレガシィB4、ATターボで、カタログ値は11.2km/Lです。
一般道15%、高速85%くらい、行楽日和ということもあり何度も渋滞に巻き込まれました。
加えてエアコンも幾らか使用し、何度かアクセル全開にもしています。
決して燃費に有利な状況ではありませんが、この結果にはビックリです。
改めてデフでのパワーロスがいかに大きいか実感させられました。

他にも紅を使用した感想として、

1、車が軽くなったような感覚に陥る
2、ターボが効きだすと、更に車が軽くなったような感じになる
3、コーナー立ち上がりの加速が鋭くなった
4、デフオイルが少し温まってからの方が良いような気がする

ざっとこの様な感じです。

 
 
  
●2007/10/15
「エンジンオイル汚れ判定」について私なりの見解を述べてみましょう。

オイル交換を実施した直後に、ガソリンスタンドに立ち寄った際に「無料点検致します」とサービスマンが言うので見て貰ったら「お客様、オイルが汚れていますので交換したほうがいいですよ」とアドバイスされたという話は頻繁に話題に登ることなので、皆様の中にも一度ならず体験された方は沢山居るのではないでしょうか。それほど日にちが経っていないのに何故このような勘違いが起きるのか深く考えた方は居ませんか。エンジンオイルの管理の仕方や走行距離のキロ数によっても差が大きいですが通常は約5万km以上走行した車であれば、オイル交換して1日走行した後でオイルレベルゲージに付着した色を目視で点検すればオイルが黒く感じられる車も多く見受けます。特にターボ車、直噴エンジン車、コンピュターを改造している車、オイル管理が悪かった車、走行距離が10万km以上の過走行車などは「黒く汚れる」確率が高まってきます。ひどい場合はオイル交換を実施後、オイルレベルを確認する際に黒く感じるケースも出てきます。ですから、ガソリンスタンド店員が「レベルゲージに付着しているオイルが黒く感じた」それはそれで見間違いではありません。この場合の一番の問題点は「交換したばかりのオイルが早くも交換しなければいけないほど本当に汚れているのか?」ではないでしょうか?この矛盾した判断はオイル汚れの見方を正しく知っていないことから起きてくると私は考えます。私が自動車整備の専門教育を受けた際にも教えてくれなかったし、、車雑誌や自動車専門書を数多く読んできていますが、今まで「オイル汚れの正しい見方」などという記事やHPは一度も拝見したことがありません。あまりにも基礎の部分になってしまうので、私も今まで「正しいオイル汚れの見方」は、一度も公表しておりません。バルブタイミングの本を執筆した際には一般的に広く使用されてきたバルブタイミング図は、作用を理解しようとする際に非常に簡略された図なので、理解するのが難しかったので、私が考案した「藤沢式バルブタイミング図」を公開して一部の方から高評価を頂いております。そこで今回は「藤沢式オイル汚れの見方」を公開してみようと思いました。少しでも車好きの方の参考になれば嬉しい限りです。世の中は広いので、中にはそれは違う、もっと良い方法があると自認する方は自分流で判断して構いません。人によって色々な自分流があっても、それはそれで楽しいし他に判断方法があれば異論を唱えるつもりは毛頭ありません。完全に解ってしまえば「何だ!そんなことは簡単ではないか!」と思われるかもしれませんが単純なことほど難しいものなのです。

本題に戻って話を進めると・・・
「レベルゲージに付着したオイルの色を見ただけでは本当の汚れは解らない」ということに原因が潜んでいることに気がつきました。
そこで次のような手順を踏みます。

1:綺麗なテッシュペーパーを1枚用意します。レベルゲージから一滴だけテッシュペーパーにオイルを垂らします。(画像1参照)

2:約1〜2分間、そのまま放置します。オイルがゆっくり拡散してゆき色が変化してゆきます。
黒⇒焦げ茶⇒薄茶 (画像2参照)

3:5分間経過すると更に拡散して色は薄くなり、最初の黒い色は何?と言うほど薄くなってゆきます。(画像3参照)
※何分間放置するのがベストなのか難しいところですが2〜5分間の中で自分なりに2分間とか放置時間を決めて判断すれば良いでしょう。

※画像はペーパー上に垂らしたオイルの時間経過による変化を左から順に撮影したもの。(4枚目のみ12時間経過後)

この結果から解ることは、レベルゲージに付着した一滴は「汚れが濃縮されたために黒く見える」ということが浮き彫りとなってきました。本当に真っ黒なオイルも少し汚れたオイルも、濃縮された一滴になると違いが解らなくなり同じように見えてしまうので、ガソリンスタンドでの間違った判定に繋がったと原因がハッキリしました。例えばエストレモX1をボトル詰めすると、容器の直径の違いにより濃く見えたり薄く見えたりします。太い500ccボトルは濃く見え、細い50ccボトルは薄い色に見えます。お客様の中には「色が違うが何か変更したのか?」と疑問に思われる人も出てくるほど違って見えるのです。

エンジンオイルの良否の判定は非常に難しいものなので、汚れの判定だけでライフが終わったと断定できません。汚れの他に下記の判定も必要となります。
1:汚れ判定
2:ガソリン希釈の判定
3:粘度・異物の判定

2:ガソリン希釈の判定について・・・。
混合気を圧縮する際に極少量の混合気がオイルパン側に漏れてくるのでガソリンで希釈されます。一番良い方法はオイルレベルゲージに付着したオイルの匂いをかぐよりも、オイル注入口のキャップを外して、オイルキャップを鼻先に持ってゆきガソリン臭くないかをかぎます。どのくらいの匂いが異状かわ難しいところですが何事も経験を重ねてゆくほど、判定が正しく出来るように上達します。まず、行動に移すことが重要です。

3:粘度・異物の判定
以前にも解説したように、人指指の先に一滴オイルを漬けて、親指と人指指を磨り合わせると、オイル粘度が正常な場合は指紋が引っかからないで、ネバネバ感が感じられます。ガソリンで希釈されていると、オイル粘度はサラサラ感が強くなり、指紋と指紋が引っかかる感触が得られます。それだけ指先の神経はデリケートな違いを見分ける優秀なセンサーの役目を持っています。また、スラッジが多い場合は、砂が入っているようなザラツキ感を感じる場合もあります。

上記1・2・3を全て正しく判定できたとしても、それでオイル寿命を判定したことにはなりません。オイル交換の一つの判断基準として役立つことは間違いありません。この判定に、更に下記の判定を行うと判定制度は飛躍的に高まるでしょう。
4:アイドリング安定度(爆発のミスが無いか)
5:アイドリング時の振動の有無
6:メカニカルノイズ大きさ
7:燃費(参考)
8:油圧・油温の低下

上記4〜8項目は全て潤滑性能により変化するので新品オイルだから大丈夫ではなく、どの位の潤滑レベルを保有しているオイルかによって優劣や期間や走行距離などは大きな差が見られます。一般的には難しい判定となるので、誰もが理解しやすい期間または走行距離による交換時期が一般的に使用されているのです。高価なオイルだから少しでも長く使いたいという気持ちは痛いほど伝わってきますが15000〜20000kmと長く引っ張るよりは少し余裕も持って交換に踏み切るほうが当然ながら見えない部分のダメージは減少し車の好調子を長期間保つことに貢献するので結果的に安くつくことに繋がってゆきます。
●2007/10/01
今回はオイル総量と添加率の関係について詳しく説明します。
質問の中で多いのは「ATFを交換すると2.5リッターしか交換できないのだがX1を何cc添加したらよいのか教えて欲しい」という内容である。ATFに限らずエンジンでもデフでも、自動車メーカーが「新品部品をラインで組み立て最初に入れたオイル総量」が本当の意味でのオイル総量になります。取扱説明書はメーカーによって記載内容の差が大きく、本来のオイル総量が記載されていないケースも多く見受けます。ディラーに問い合わせしても担当者自体が「解りません」と答えるケースも多々見受けられます。そこで当社に問い合わせしてくる方も多いのですが、自動車の難しさは同じ車種でもグレードやマイナーチェンジなどによりオイル総量が変わっているケースが多く、一つの車種で何十種類とグレード設定がありますので、市場に販売されている莫大な車種のオイル総量を正確に知り回答することは不可能に近い大変なことなので、簡単に調査することや返答をすることができません。その点をご理解して頂き、まず取り扱い説明書を調べてみて下さい。それでも解らない時には、購入したディラーやセールマンに問い合わせをしてみて下さい。特にATFの場合はATF交換を実施してもトルクコンバーター内(かなりの量が残っている)やATFオイルクーラー&配管内などに行き渡っているATFがあるためATF総量が6リットルの車でも2.6リットルしか抜けない場合が普通です。腕の良いショップであれば2.6リットルを抜いたら、新油を入れエンジンを始動し、トルクコンバーター他のATFがオイルパンに戻ってくるの時間(何秒間)を測定し、、もう一度抜いて新油を入れる作業を2〜3回繰り返すことにより、ほぼ全量を交換しますが、2.6リットル×3回=7.8リットルとなり、実際のオイル総量6リットルよりも余分なATFを無駄に使用することになります。ここまでこだわる人は車に対する愛着も深い人ですが、何年間も交換しない車から考えれば、たった1回の交換(総量の3分の1)でも交換してX1を5%添加することの方がATにとって重要だと私は考えています。この間、お客様から電話があり、新車なのだが「X1の取扱説明書に添加率が高いほど効果を発揮すると書いてあったのでATFに7%添加した」と言ってきました。X1説明文に、AT・CVT 3〜7% (推奨添加率5%)と添加率が記載されています。推奨添加率の意味が解ってくだされば簡単なことです。製造販売しているメーカーが一番理想的な添加率を推奨していますので、推奨添加率で通常は充分な効果を発揮致します。X1を熟知していない初心者の方は推奨添加率で試してくださることが一番です。もし添加率を推奨添加率以外で使用したい初心者の方は、追加する前に電話でご質問下さい。新車で保護的に使用するのであればATなら3%でも十分な効果を発揮いたします。最大添加率の7%の意味とは、中古車購入などでATの変速ショックや滑り改善目的など、へたったメカニズムに対して推奨添加率の5%を添加、それなりの改善がみられたが、もう少し改善率を高めたい場合に増量できる最大添加率を記載しております。最大添加率は新車など程度の良い状態で添加するためではありません。新車などで保護的なご使用の場合は下限添加率、ある程度の体感を感じていただくための添加率が推奨添加率、くたびれた中古車を購入した際に使用し積極的に不具合を改善する目的で使用する場合が最大添加率です。その場合でも先に推奨添加率で様子を見ていただき、しばらく使用したが更なる改善を希望する場合、推奨添加率から50ccづつ増量してゆき最大で上限添加率までは添加できますよという意味を表しております。それでは今まで説明したことを説明書に詳細に記入すべきかと言えばそうではありません。説明書が逆に保険の契約書のように煩雑になり過ぎて、かえって読まないで作業を開始してしまいます。私もそうですが説明書の隅から隅まで熟読する人は少なく、重要な要点だけを読みたい人が多いと思われます。それでは推奨添加率のみを記載するだけで良いのではないかと思われるのではないでしょうか。すると今度は「最大で何%までX1を添加できますか?」という質問が数多く寄せられます。この説明で解るように世の中には様々な人が居て様々な思考をするので対応を迫られ現在の方式を採用するに至りました。ここまで説明すると、とんでもなく難解な話をしているように受け取られる恐れがありますがエストレモX1の最大の注意点は添加率だけですから、オイル総量がエンジンオイルで4リットルであれば推奨10%の400cc添加、ATF&CVTの総量が6リットルであれば5%の300ccを添加するだけですから、何の難しさもなく本来は簡単な話なのです。すると「オイル総量が増えてしまいうが大丈夫ですか?」と不安になる。「古いオイルに入れても良いですか?」という質問も来る。これらの疑問点も「基本はオイルが新品で、推奨添加率を添加し、オイル総量を守る」ことが理想的となるので、オイルが古ければ推奨添加率のX1を先に購入され、古いオイルを抜いた直後にX1を先に入れ、その後から規定量になるまでオイルを入れれば終了となる超簡単施工なのである。勿論、後から入れても規定レベルを大幅にオーバーしなければ心配はいりません。恐らく、藤沢の部屋の愛読者は先刻ご承知の話となってしまいました。

お客様から送られてきた寸評とドレンプラグの画像です。前回のMTドレーンプラグの画像と比べて見て下さい。本当はMTよりもリアーデフの方が約5倍ほど過酷な条件なのですが・・・。

2005年にGEARU匠に交換後、約10000キロ走行ですから早い感じもしたのですが、以前から「エンジンオイルは極で十分だけど(”怖いもの見たさ”で轟を試してみたい気も若干あるのですが(笑))ギアオイルに轟があったらなぁ」と頭の隅にありましたので紅の発売を機に「これはぜひとも使ってみよう!」ということで決断しました。

添付の写真はリアデフのドレンプラグです。初めて自分で交換しましたのでこの鉄粉の量が多いのか少ないのかよく分からないのですが、ウェスで拭き取ったら簡単に綺麗になったので少ない方なのではないかと思います。少なくとも、目視できるほどの大きな鉄粉は付着していませんでした。抜いたオイルには砂粒みたいなものがいくらかありましたが、細長い旋盤の切粉のようなものは皆無でした。
交換後ほんの少ししか走っていないのですが、アクセルの踏み込みは少なくなった気がします。しばらくしましたら、またレポートをお送りできればと思っております。
  
  
●2007/09/25

今年の中秋の名月は格別です。
天気の良くない地域の方・・・・画像ではありますがお楽しみ下さい。

拡大画像はコチラからダウンロード出来ます。
ダウンロードした画像を壁紙に指定して、部屋の明かりを消すと・・・・お月見気分になります)
     
●2007/09/16

今回の話はアナログとデジタルの違いに付いて話をしてみよう。私の小さい頃は遊び道具は自分で自作して遊ぶ時代であった。竹馬、水鉄砲、弓矢など数えきれないほど工夫をしながら暗くなるまで遊んでいた。弓矢にしても竹を削ったりして誰が一番遠くまで飛ばせるか競って遊んだ。現代だったら絶対に危険だからと叱責を受ける遊びだろうが、田舎で大きな広場や畑がある寺の敷地内では当時は誰も咎める人など居なかった。大人達は仕事に追われていたので子供達で遊ぶのでグループの一番年長者は大人に言われなくても何が危険かは自然と理解していた時代である。道具は10円で買える長さ8cmほどの二つ折りナイフ1本で造る。このナイフはポケットに入れていて鉛筆を削ったり何かと重宝した。学校にも持って行ったが当時は、このナイフで人を刺したなどという事件は1件も聞いていない。また、竹を材料にして、木の実を弾にして竹の鉄砲を作った。言葉で説明するのは難しいが水鉄砲に近い原理で飛ぶ。先に一個実を入れておいて次の実を押すことで中の空気が圧縮されて先に入れておいた実が飛び出す原理である。木の実は、名前は解らないが(通称は天狗葉と呼んでいた)手の平の形をした大きな葉を付ける木があり、丁度、ビービー弾の弾と同じような直径4mm程の手ごろな実を沢山付ける。この実がみつからない時には。山吹の木を探し、木の中にある白い発砲スチロール状の芯を押し出して利用する。自分で言うのもおこがましいが、少年の頃から、応用力や機転が利く少年だったと思う。当然ながら、遠くに飛ばす工夫はデジタルとは無縁なアナログの時代であった。現代ならコンピューター解析を酷使して飛ばすためのデーター分析が出来るだろうが、果たしてそれが楽しいかどうかは別の問題であろう。
話は自動車に替わるが、中古自動車で日本では見向きもされない自動車であっても、MT仕様であれば海外に持ってゆくと高値で取引され引っ張りだこだという。走行距離が多くても価値は変わらなく取引されていると聞く。その大きな理由は故障に強く修理が簡単だから。自動車にしてもカメラにしてもアナログ的構造であれば電池も電子回路も液晶画面もないので、故障しても修理がやり易い。整備技術やアフターパーツが完備されていない発展途上国になればなるほどアナログ満載の自動車ほど便利なものはない。そのことに思いを馳せて考えてゆくと現代は進歩しているとはいえ、まだまだ発展途上に思えてしまう。皆様も使用中の家電商品やコンピューター関連商品が故障すると修理するよりも買い換えたほうが安く付くことを何度か経験されたていることでしょう。会社のプリンターもコンピュターのハードディスクも2〜3年経つと、よく壊れます。ハードディスクは簡単に交換できるので大丈夫ですが、プリンターはヘッド部品が販売されていないために泣く泣く新品に買い替えでした。アナログ時代のラジオであれば部品さえ手に入れることが出来れば修理が出来ました。こんな時代を知らないで生まれた世代は、デジタルは万能で優れていると誤解しても無理からぬことだと思います。当社の添加剤や高性能オイルで「走りが良くなった」とNETで流す人が居ると、必ず「感覚は信用できないので馬力などの数字で表せ」と反論する人たちを見受けます。その人たちは「気持ちよい走り」をどうやってデジタルで解析するのでしょうか?真っ先に浮かぶことは馬力測定でトルクと馬力を測定する。でも馬力がアップしようがトルクがアップしようが気持ち良さの貢献度は僅かなものであり、その向上分で推し量ることは出来ません。この基本的なことを知らない人に何を言っても無駄になってしまうと私は考えてしまいます。それでも人の意見を受け入れる謙虚さや柔軟な思考を持ち合わせている人であれば「気持ちよい走り」とは何かが自然と解ってくるし、かたくなにならずに一度でも試してみる勇気さえあれば一瞬に解決してしまうことでしょう。
例えば、この間のRX-8、MTの人がリヤーデフオイルに紅を入れて発進した際に、今までよりクラッチミートがやりやすくなったと報告してきました。このことも「気持ちよい走りに」繋がる。デフオイルを交換しただけで何がどう作用して発進が楽になったのか従来の延長線上の思考では、その謎は永久に解けることはないでしょう。また、クラッチミートのやりやすさを、どのように測定して気持ちよい感じをデジタル化したらよいか難解な問題である。脳波を測定すれば違いが出るかもしれないがそこまで費用と時間を掛けて解析すべきことであろうか。本人がやりやすくなったと実感でき喜んでいるだけで「気持ちよい走り」は、ある程度達成できたはずであり、それが全てだと私はいつも思っている。この重要で尊重すべき体感を簡単に否定する人に反論するのは無駄な努力と思ってしまうのは私だけであろうか。恐らく、多くのエストレモ愛用者の方々も、私と同じような経験をして同意見であろう、だから「それ以上は、その人に話をしない」で黙ってしまうに違いない。世の中には添加剤否定派も数多く存在する。何かの大きなきっかけが無い限り、どんな結果も受け入れることはできない。オイルで走りが変わることなど夢であり虚言であり嘘だと信じている。例え何らかのデーターを出したとしても重箱の隅を突付くように難癖を付けて否定してくる。だから、この問題は、これからも永遠に続いてゆくに違いあるまい。世の中はよくしたもので、否定する人も居るかわりに、私の考えや商品に賛同して考えを共有してくださる方も沢山存在してアタックレーシングを支えてきてくれた。有難いことである。ある意味では、私が造り出した「ケミカルチューニング」の新しい世界がプロアマを問わず、この世に何人存在するのか挑戦している私である。そんな私の挑戦が実を結び、日本のトップドライバーの中にもエストレモの優秀性を認識している方々が存在していることを知り感激しました。
ここまで読んできた人は「藤沢はデジタルを完全に否定している」と勘違いされることでしょう。そうではありません。コンピューターチューンのROMデーター変更などデジタルにも、どっぷり浸かって体験してきた結果の答えです。車の性能を比較したり向上させる研究解析では各種の実験装置や解析装置は欠かせない重要な役割を担っています。その解析により何がどこまで熟成できるかがポイントになってきます。省燃費の時代には燃焼解析と排気ガスの分析が必要不可欠となってきます。例えは悪いですが人間の検便と同じで、燃えカスである排気ガスを高度な分析をすることで「燃焼の良否」を判定できる理屈になります。「臭い匂いがしなくなった」「水が出てくるようになった」「排気管内の煤が減少した」などという見た目の体感もありますが、デジタル時代であれば各種排気ガスの排出量がどう変化したのかを測定することで燃焼状態が正確に見えてくるのではないか考えております。そのためには車検で使用するCO,HCだけでは正解とはなりませんので、もっと上級の排気ガス分析を視野に入れていますので楽しみにお待ち下さい。
画像は今月来社されたスカイライン(ECR33)のマニュアルミッションのドレーンプラグです。
走行41385km。愛車を事故で大破したために中古車を購入されたそうです。このお客様は「疾風:極」に交換されました。


●2007/09/01

最近、猛暑のせいもあるが大病をする知人が増えている。やっぱり、癌と脳梗塞など血液に関する病気が多い。話を伝え聞くところによると、運転をしていて右側に車が自然に寄っていってしまう違和感を感じたので病院に行ったところ脳梗塞と診断され即座に入院したという。幸いに発見が早かったので大事には至らなかった。夏休みに少しだけ車を運転したが前の車が右に寄ったり左によったりする車が多かった。様子がおかしいと観察すると、まだまだ携帯をしながら運転する人も多く見かける。一般道路で低速で走行中にフラフラするのだから危険極まりない。そこで痛感したことは、脳梗塞では元巨人軍監督の長島氏で解るように程度の差はあれども何らかの(手足の麻痺や言語障害が残る場合が多い)後遺症が残ってしまう。完全に発症前の健康な状態に回復するケースはほとんどない。反対に自動車の故障は部品交換で完全に元通りに回復することが多く後遺症が残るケースは稀である。しかしながら、発症や入院の話を聞かされた際に「予防に勝る治療は無し」という言葉が自然と脳裏に浮かんでくる。人の心は脆弱なもので解っているけど悪くなってから後悔する。自分だけは大丈夫だと他人事のように受け止めてしまう。確かに何も考えなければ毎日が楽に過ごせる代わりに発病した際の代償は大きい。自動車の場合も、まったく同様に悪くなってから「直りますか?」と頼ってくるケースが多い。添加剤の評価で「効くとか効かない」と論じられることが多いが人間の癌と同じように、薬(添加剤)だけで全てが直るわけではなく遅くなれば遅くなるほど病状(損傷や磨耗)は進行し手術(分解整備)を必要とする。メカニズムに詳しくない人は、この簡単な道理が理解できないために末期症状でも頼ってくる。自分が癌になった場合に考えることは、もし薬(添加剤)に頼る場合は、今現時点で最高の薬を処方してくれるよう依頼することは間違いあるまい。命に関わるのだから少々高価でも背に腹は替えられない。自動車の添加剤にしても、まったく同様のことが言えるではないだろうか。「予防に勝る治療は無い」と信じて使用していた健康食品が実際はたいした効力を持っていなかったとしたら取り返しが付かない。価格的に安かったとしても結果的に高くついてしまう。だからこそ、「最高の物を提供することが私の責務である」と考えている。他社のキャッチコピーを引用させて頂くと「最善か無か」となる。弊社製品の長年の愛用者から「20万kmでオートマが壊れた」と報告を受けると医者と同じように解っていても「助けられなかった」とガッカリする。正しくは「壊れたではなく耐用年数が尽きた」と表現したほうが正確な表現であろう。タイヤやブレーキパッドが消耗すると同様に内部のブレーキバンドまたは湿式クラッチが磨り減ってしまったものと推測できる。長年の愛用者であれば「X1を添加していなかったら、もっと早く壊れていた(磨耗限度に到達した)と思う」と理解した上で報告してくるので嬉しいが、19万km走行したオートマに初めて添加した人だと「添加して1万kmでオートマが壊れた」とクレームを付けてくる場合がある。このような人は19万kmで寿命が尽きる寸前だったということが理解できていないから話が通じにくい。中には「X1を添加したから壊れた」と自分勝手に解釈して暗に費用負担を迫ってくる。どんなに時間を費やして丁寧に説明したとしても「添加してすぐに壊れたのは事実ではないか」と自分の正当性を訴えてくる。X1は「潤滑を良くして磨耗を減少させる働きと、滑りを防ぐトラクション機能の相反する特性を与えている。また、微粒子とか沈殿する成分や固い粘度など純正オイルの特性に大きく影響を与えることはない」ので、X1を添加したからといって、それで故障の要因となることはあり得ない。勿論、このことは初めて購入した人には解らないので最初から疑ってくるのは全ての添加剤の宿命とも言える。だからこそ、信頼できる製品提供こそが重要だと考え実践している。先ほどの19万kmオートマは、人間の年齢で例えれば80歳(男性)に相当する。走行10万kmが60歳相当、走行15万kmが約70歳に相当するであろう。昨日まで何事も無くても朝が明けたら発病(異音滑りなどの異状発生)や死亡(走行不能)に陥っても別に特別なことではない。人間の場合は、長年に渡り患者を診てきた医者なら「余命何ヶ月」と正確に診断できると言われている。同様に、長年に渡り自動車と深く関わってくると、だいたいの残り寿命は推定できるがCTスキャンなどと違って、オートマ内部の磨耗状況まで外部から診断できない。その分、自動車の残り寿命予測の方が遥かに難しい。最後の決断は、30万円掛けてリビルトのオートマに載せかえるか、取りあえずエストレモX1を300〜400cc添加して様子を見てみるか、どちらかの選択を迫られる。お金持ちなら迷わず買い替えでしょうけど。だからこそ最高と思える物に(改善率の高い物)に賭けてこそ賭けは成功することが多くなる。最終的には、いつも同じような結論に到達してしまうのは私の技術屋としての信念の証と受け取って間違いないです。

今年もオートメカニック臨時増刊「エンジンを元気にする101の方法」が7月に発売されました。
もう10年以上続いている本ですが本屋さんで買い損なった人は当社に少しだけ在庫があります。


Copyright2002 ATTACK RACING Co,ltd. All right reserved.