●2010/06/15

アタックレーシング公式HPのTOPニュースでご紹介した「ぜったい得するオイル選び」の出版経緯を簡単に説明したいと思います。

講談社から単行本の執筆依頼であったので何の疑いも持たず、ふたつ返事で承諾したことがそもそもの今回の始まりでした。
最初は「メンテナンスの本を書いて欲しい」という電話依頼でした。

以前出版した「くるまのメンテナンス」から20年経過してたので、「時代に即したメンテナンスの本」も出版したい思っていた矢先、気軽に承諾した訳です。

実際に、編集担当者、カメラマン、執筆者が来社したのは本年5月21日。
その際、相手側より「都合でメンテナンスの本ではなく、オイルの本にしたい。以前売れたのでそちらの本を書いてくれないか?」と変更を問われました。
私も自らオイルも販売していますので、オイルに関しての本も書いてみたいと思っており、快諾しました。
本のタイトルは「オイルの達人」自分のノウハウで、他人には書けない本に出来ればと思いましたが、同時に「一般的な話は別の人が書く」とも言われました。
この時点で「書く」ではなく「監修」的な位置付けに変わっていくのを感じました。
ただ、一般的なオイルの話(例えば粘度表記に関する話など)は、誰が書いても同じなので、これも快く了解しました。
念の為、記事を書く人に、私のオイルに対する色々な話と、要点をを書き留めた物(表題)も渡しました。
「本に掲載する画像が必要なので協力してくれないか」と電話依頼があり、私と社員で数時間費やしてアドバイスしながら撮影を行いました。
終了後「編集の時間があまりないので、これから帰ったら急いでまとあげる」と一言。この時点で私の頭の中は「まだ原稿を書いていないけど?」という疑問。
レイアウトも提示されませんでしたが「最後の監修で修正をかけよう」とその時点で考えていました。

そして6月8日、「6月10日に発売となるので原稿を見てもらう時間が取れないので出版します。内容のこまかい所は承諾してください。」と、突然の電話連絡。
6月10日に出版・・・・ということは電話が来た時点で本はすでに印刷、製本されていることを暗示しています。もう私に何もできない状態でした。

そして6月11日、完成した本が届けられました。本の表紙には「監修:藤沢公男」裏ページにも写真入りで経歴と名前が掲載されていました。
記事を書くのはおろか、監修すらしていないのに・・・・内容は、「私が監修したなら、こんな事は・・・・」と思う記事で埋め尽くされていました。

どんな業界にも「裏がある」とは言いますが、まさかこんな事があるなんて・・・正直、驚いています。
そして「なにかの意図」を感じずにはいられない。「こんな事をして得をするのは誰?」なんて、ついつい考えてしまう出来事でした。

すでに店頭で販売されていますので、「謎解き」が好きな方は書店でご確認下さい。



さて、暗い話ばかりでは何ですから・・・明るい話をひとつ。

「新しい雅はいつ頃発売されるのか?」と多くの方から問い合わせが入っておりましたが、来月初旬に発売できる目途が立ちました。(7月1日発売予定)

今まで時間が掛かったのには理由があります。ボディコートの開発・・・・実際には結構な時間が掛かるものなのです。艶や仕上がり具合も大事ですが、
経年劣化でどうなるのか?までを見極めなければならないからです。また液剤だけでなく、それに保護する容器にも検討が必要です。(耐久性・経年劣化など)
「中途半端な製品」にしない為に、躊躇なくNGを出し最初からやり直しの繰り返し。そして、やっと納得できる製品が完成しました。

現在、ディーラーで採用している上級ボディコートは最初にガラスコート、その上にフッ素系コートを施工する2層コートを採用していますが、
そこには2層コートにする大きな理由が隠されているのです。
※2層コートにする意味:BASEの固い皮膜でボディを守り、TOPの柔軟性のある皮膜で汚れや傷を付きにくくする。

ちなみに「New雅」はスーパーグロスターやグロスターの成分と同じガラスコート(ガラス系ではない)ですので、名称は「グロスターEX(エクストラ)」
となります。価格こそ雅と同一の10290円(税込)ですが内容はまったく異なり

○BASE COAT=60ml ガラスコート(下地用)
○TOP COAT=60ml フッ素系コート(仕上げ用)
○塗布用専用スポンジ2個
○マイクロファイバークロス 1枚

それを、特選雅で使用していた桐箱に入れ、「セット」として販売します。

ボディコートを一度も経験していない方は2層というと「難しい」イメージを持たれるかもしれませんが、コートはコツさえ掴めば難しくありません。
特に新車の場合、汚れがついていないので、下地造りの手間も簡略化出来ます。
またBASE・TOPともに単品販売も致します。TOP COATはスーパーグロスター、純正ボディコートなどガラス(系)コートのメンテナンス用としても活用できます。


BASE COATの施工方法はスーパーグロスターと同じですが、今回の製品では「より施工しやすい」ように配慮されてしています。
※基本的にはドア1枚施工したら拭き仕上げるくらい硬化までの余裕があります。
TOP COATの施工は基本的には雅と同一ですが、雅と異なる点は施工前の段階で水分が無い乾燥した状態が好ましい点です。
薄く施工したら約1時間放置した後で水拭きして完成です。









●2010/06/01

ホンダ・シビックタイプR(型式:FD2)H19年式で社員が弊社オイルの比較テストを長期間続けている。でも、全種類のオイルをテストすることは出来ない。その理由は、タイプRは高出力タイプのV-TECエンジン搭載車であり、そのままでもサーキットを走れるスポーツタイプの車両であるから、エコノミアのような低粘度オイルは使用できない。また、BRX1やZ50の10W-50粘度も固過ぎてマッチングしない。基本的には、そのクルマの取り扱い説明書に記載されている指定粘度の中から自分の好みの粘度を探し出すことが基本となってくる。指定の粘度から少しだけ固いオイルを使用するようになるには、少なくとも走行距離が6万km過ぎ、オイル消費が増えたりしたときに、その対策として10W-50を試してみようという流れになってくる。この場合も弊社のZEROシリーズやSPORTSシリーズであれば10W-40と10W-50を半分づつ混合し、10W-45を試すことも可能であり、より細かな粘度セッティングが出来る。オイルの種類が増えれば増えるほどオイル選択の悩みは大きくなってしまう傾向を示すのは当然の結果であり、この選択の悩みを「難しい!」と捉えるか「楽しい!」と捉えるかは人様々ではなかろうか。例えば10W-40に的を絞ると鉱物油のHDX1、化学合成のAZX1、ZERO-Z40、SPORTS-S14の4種類。これに性能グレード=X1、FS、匠、極、轟グレードの5種類を組み合わせると、合計20種類と豊富なラインナップを誇る。最終的には予算と使用条件、車種、好みなどを考慮して選択することになってくる。今回の話は、更に上級者向けの話をしてみよう。気温が低い冬季では、同じ10W-40でも、オイルの性格(仕様=味付け)が異なるため、自分の使用条件や好みに合致しないケースも出てくることが予想される。どんなに高性能オイルであっても使用目的に合致しないオイルでは最善の結果は得られない。もしも弊社のオイルを使用して満足できる結果が得られなかった場合の原因として次のようなことが考えられる。
1:購入した方の使用目的にマッチングしていない。
2:使用した車種に粘度(油温も含めて)がマッチングしていない。
3:使用環境にマッチングしていない。
4:運転者の好み(希望)にマッチングしていない。
購入依頼の長期継続テストなので短いコメントで結果を書いてみる。この結果は同じタイプRでも年式やドライバーの好みや走行条件などで多少は変化することをご承知ください。でも、何も参考にできるものが無いよリは多少の参考に活用していただけたら幸いです。
○NewAZX1:Idle時の油温90℃、油圧2.3kg/cu 滑らかで静か。
○ZERO Z40:油圧はほぼ変化無し、滑らかさ、力強さが向上。
○SPORTS S14:「FS」-「極」と交換。Idle時の油温90℃、油圧2.4〜2.5kg/cuに向上。100℃以下の低温時は抵抗感を感じるが100℃を越えると特に高回転域のパンチ力が増した。
○NewAZX1-極:Idle時の油温90℃、油圧2.3kg/cu フィーリングはS14より全域で良好な感触。
○ZERO Z40-轟:上記より滑らかさ静かさ向上。重くならず、ややトルクアップ、NewAZX1-極に較べて高回転域のパンチ力向上。
○SPORTS S54ー極:Idle時の油温90℃、油圧2.4〜2.5kg/cu 交換直後は発進時のトルクが細く感じたが、3〜40kmほど走行したら上記より低中回転域のピックアップが軽くなった。全体的にレスポンスがアップした。
このようにオイルの違いでフィーリングの違いが出てくることがお解かりになっていただけたら嬉しい。SPORTSはサーキット走行など過酷な状況下でエンジンを保護しなくてはいけないために油圧が他のオイルよりも約0.1〜0.2kg/cu高めになるような仕様となっているので、油温が低い状況下では本領を発揮しにくい。そこで街乗りではS-14(10w-40)よりも低温時に柔らかいS-54(5W-40)の仕様が良好なフィーリングを得られやすいことが窺えると思う。SPORTSの開発ではS-53(5W-30)もテストを重ねてきた。S-14やS-15を使用している方で低温時は、やっぱり重いフィーリングだと思われている方は、是非、S-53を少し混合することを検討して欲しい。また、次回オイル交換の際にはS-54を半分混合して粘度調整して結果を検証してみるか、思いきってS-54を試してみることをアドバイスさせて頂く。以前から何度も言っているように弊社ではW側の粘度を10W-5W-0Wと低粘度にする成分がオイル性能の早期劣化を招くのを嫌って0Wオイルは発売していない。SPORTSは特別なオイルなので通常の使用では自分では過酷に走行していると思っていても、それを遥かに上回る過酷な条件下で本来の性能を発揮するスペシャルな仕様なので、SPORTSを使用して「重い」と感じるようであればSPORTSオイルがオーバースペックとなっていることを意味している。そこでS-53やS-54に交換するか混合することによって、見違えるような快感のレスポンスを手に入れることができるという結果が得られている。その快感を味わった方のコメントを紹介すると「AZX1も良かったがZEROが発売されて最高の体感ができたので、もうそれ以上のオイルは出来ないと思っていた。それがSPORTSに変えてみたら、更に良い感触なのでビックリしている。」とホンダ・S2000愛用の方にコメントを頂いた。
弊社の長年の愛用者の方は新しいオイルが新発売されると、どうしても興味が湧いてきて「試してみたい!」と変更される傾向が強いように見受けられる。そのこと自体は本当に嬉しくいつも感謝の気持ちで一杯です。私も好奇心旺盛なので、今話題のipadも28日には手元に来て遊び始めている。新しいボディコート剤の開発も終わりに近づいてきたので、スーパーグロスター、新しいNew雅(名前はグロスターEX・エクストラでベースコートとトップコートの2層コートになる予定である。トップコートはスーパーグロスターのメンテナンス剤として使用できるので単品販売も計画中)、グロスター、イオンデポジット除去剤・デポクリーン(製品詳細はhttp://www.estremo.jp/)の施工方法をビデオで撮ってHPにアップしようと構想を練っている。手元にipadを置いて画面を見ながら施工すれば安心して施工が出来るし失敗も防げることだろう。


弊社、一般道テストコースの一つである箱根スカイラインより



●2010/05/15

5月中旬になると各地で目にも鮮やかな新緑で埋め尽くされる。私は、春夏秋冬の季節の中で一番好きな季節は芽吹きの春。写真は長野県の美ヶ原の新緑(昨年の6月撮影)である。

今回は私の修理工時代の話と、日米道路事情の違いについて書いてみよう。
二番目は山々が色とりどりに染まる紅葉の秋も捨てがたい。更に暑い夏と寒い冬という四季の移り変わりがある変化のある日本が大好きだ。車を運転して見知らぬ土地を求めフロントウインドから四季の移ろいを感じながらドライズしている瞬間が一番満ち足りた時間かもしれない。
私が最初に愛車を手に入れたのは18歳になるとすぐに免許を取って少し経ってからのこと。小田原の修理工場で働いていた時に、マツダB360(1961年〜1968年)の軽トラックの中古車を3万円で購入した。給料が1万5000円頃の時代のことである。空冷V型2気筒エンジン搭載。当時の軽四輪の排気量は360ccと小さかったのと、くたびれた値段相応の中古車ということもあって、長い登坂車線ではアクセルベタ踏みでも速度は徐々に落ちて行き自転車よりも遅い速度でノロノロと登っていった。たまたま私の購入した中古車の調子が完調でなかったのかもしれないが、当時の私の技術レベルでは劇的に走りを変える技術を持ち合わせていなかった修行時代のことである。それでも自分の車を手に入れた訳だから無性に嬉しかったと記憶している。当時はスバル360(1958年〜1970年)が全盛の頃で、時代は少しづつマイカー時代へと変貌を遂げてゆく時代であった。丁度、現在の中国に似ていて当時の状況と私の中ではラップしている。それまでのヒルマンミンクス、オースチンから国産車に次々と切り替わってゆく時代であった。観音開きの初代クラウン(1955年〜1962年)、初代コロナST10型(1957年〜1960年)、初代ブルーバード310型(1959年〜1963年)縦目の初代セドリック(1960年〜1965年)、ブリカ空冷2気筒(1961年〜1969年)、ホンダS600スポーツ(1963年10月〜12月にS500が発売、1964年3月よりS600が50万9000円で発売)などが次々と登場してきた。中国の情報を見ていると解るように大きな花が咲き出すかのように一気に花開き人々の生活や考え方が大きくシフトする。このような大きな社会の変化は数十年に一度訪れるようだ。江戸から明治、昭和20年からの戦後復興、昭和30年代の高度成長期、そして今まさにHV、電気自動車、燃料電池車と変貌の時代の真っ只中に突入したと感じる。そんな時代からクルマが大好きで旅行やドライブが大好きなので今まで全国をクルマで旅してきた。南は沖縄はレンタカーでドライブした。九州、四国、西日本から東日本、北海道まで走行してきた。唯一、走行の経験の無い県が残念ながら1県だけ残っている。その県は長崎県。数年前に弊社の製品を取り扱ってくださる販売店行脚に出掛けたが長崎県だけは販売協力店が無かったためと時間的制約の中で足を延ばせなかった。沖縄県以外は全て弊社製品を使用してのテストも兼ねているのため、弊社製品は全国の道を知っているとも言える。

アメリカに行った時にはロスアンゼルスを出発してラスベガス、ヨセミテ国立公園を回りサンフランシスコまで足を延ばし、東海岸をロスアンゼルスまで戻ってくる1周コースを8日間掛けて旅行してきた。途中でハンドルを握り大きなアメリカ車(名前は覚えていない)をドライブしてきた。速度計はマイル表示なので、80という数字を見ていると、どうしても80km/hと思ってしまう。そしてコーナー(と言っても一般道での話)に入ると車が予想しているよりもアウト側に振られるので初めて体で速度を理解できる。
日本と較べると「日本の道は狭い(スレ違いの出来ない道も多い)、大きく曲がりくねっている、アップダウンがきつい、一般道は信号が多い、見通しの悪い交差点が多い、道路を人や自転車、バイクなどが雑多に利用している」などが挙げられる。アメリカではほとんど逆である。一番驚いた違いを幾つか挙げると・・・。

1:大きな較差店でも信号が無くて、先に交差点に到達した人から順番に曲がったり直進したりしていた。交通量が少なく、しかもモラルが守られていなければ出来ないことであり感動を覚えた。代表的な例は、スーパーなどでレジに並んで待っている場合、横のレジが空いていても移動しないでジッと辛抱強く待っていることである。私も含めて日本人であれば空いているレジにサッサッと移動することが一般的なので所変わればと思った。日本では無理な話だね。安全確保で少しでも車間距離を取れば、すぐに割り込まれてしまう場合が多い。
2:高速道路(と言っても無料のフリーウェイ)の乗り入れる際に2車線の内の片側車線だけに信号がある。1人乗車(ドライバーのみ)の場合は信号(赤)がある路線に乗り入れて一旦停車して信号が青に変わるのを待って発進する。他に乗員が居る場合は信号の無い路線から一旦停止無しに合流できる。この差別化はできるだけ自動車を多人数で乗って効率良く使用させる手立てだ。私がロスに言った15年前はスモッグが酷かったので、その対策であった。最近の話ではないので変わっているかもしれない。
3:田舎道で大型トラックのペースが遅くて、後ろに何台か従えて走行していて台数が増えていった場合、何台か忘れたが道路脇に停車して後方の車両を先に行くようにしないと違反で捕まると聞いた。
4:女性1人の場合、フリーウェイなどで夜間に故障した場合は、助けを求めるのではなく、できるだけ車の陰に隠れて救助の電話を入れる。下手をすると襲われるからだと聞かされた。
5:同じくフリーウェイで車間距離が少ないと同じく違反で捕まるという。日本とは大違いである。前方が混雑していても大型トラックはお構い無しに車間距離を詰めてくる。死亡事故に直結する危険な行動であり、スピード違反よりも、こちらを取り締まって欲しい。

この道路の大きな違いは自動車の無かった時代、敵からの防御のために身を隠して敵の侵入に対して攻撃ができるように配慮して作られた城下町や狭い国土の中央を横切る山脈があるために必然的に曲りくねった道路も多くなる。それも当時は自動車など想像できなかった時代の道造りの歴史がある。対してアメリカは先に自動車道路が整備され、後から町並みができた。歩行者の歩く歩道は幅が広いため、交差点での見通しを遮る物は少ない。裏道の住宅街の道路でも片側2車線や3車線もあり路肩に駐車しても走行車線の邪魔をしない。だから日本では走る場所が限られてしまう大型リムジンでもアメリカでは普通に走行できてしまうし日本で見る時ほど大きく見えない。それこそ大陸を横断する大型トラックの大きさは半端でなく大きくてビックリさせられた。








●2010/05/01

今年は春が訪れたと喜んだのも束の間、冬に逆戻りしたかのような寒い日が続いたり寒暖の差が1日で10〜15℃と大幅に上下動する異常気象が続いています。

そのせいで体調を崩された方も多いのではないでしょうか。そんな私も1日だけ急に頭が痛くなり「風邪かな?」と予感を感じた時もありましたが翌朝には、すっかり元に戻ってホッとしました。
SORTSのS13,S14、S15を使用中の方々も気温上昇に伴いエンジンが軽やかさを増してきていることでしょう。本来は油温が100℃を越えてこそ、このオイルのポテンシャルを初めて発揮する仕様となっている。電話問い合わせで、どうしても重いというお客様にアドバイスして、S54(5W-40)や時にはS53(5W-30)=(カタログやHPに記載されていない完全な裏メニュー)を混合使用して頂いたりして様子を見てきた。やはり10Wから5Wに変えるだけで特に冬季の低温時での違いは大きく出るようで「大分違って軽やかになった」という評価も多く頂いた。SPORTSで街乗り主体であれば冬季の使用では潤滑性能が勝り過ぎているために油温上昇にはなかなか至らない。実はD1車両(S14轟使用)で700馬力発生のエンジンでの使用でも「油温がなかなか上がらないのでオイルクーラーを外そうかな?」と報告が寄せられるポテンシャルを秘めているオイルなので、10Wだと油温が低い状況下では、どうしても重さを感じてしまうケースも出てきてしまう。そんな状況下で違いが出てくるのが5W仕様となってくる。普通はサーキットをメインに走行していてオイルに詳しい方であれば「5Wはタレが早いので10Wでなければ使い物にならない」と言ってくる方も多い。一般的な話ではその通りではあるがご承知のように一般常識がそのまま当て嵌まらないのがエストレモ商品という側面も愛用者であれば先刻ご承知の通りである。そこで開発時点で5W-20や5W-30の試作品を作ってテスト自体は実施していた。他のメーカーと決定的な違いは、ひとつのオイルで数十種類の性能違いのバリエーションが設計できてしまう点にある。従ってZEROオイルだけでもバリエーションと容量の違いから33種類と膨大な種類をラインナップしている。これをSPORTSにも適合すると収拾が付かないほど膨大な種類となり販売店を初めとして卸店、お客様にも混乱を招きかねない。多過ぎても人によっては「どれを選んだら良いのか皆目解らない」というご指摘を頂くことも出てくるからだ。そこで悩んだ末にS13,S14,S54,S15の4種類(全28種類)の設定に決めた。これにS25,S35までラインナップに加えてしまうと何と42種類の製品数となってしまう。製造の裏舞台から言っても大変なことになる。正直な話としては、これ以上の種類を増やすことは混乱を招く。そんな事情があるのでS52,S53は知る人ぞ知る裏メニューという位置付けとなったことをご理解頂きたい。
Newタイプとしてフルモデルチェンジした、エコノミヤ、GP、AZは、お陰さまで大好評を頂いている。自動車でも車名は同じでもフルモデルチェンジすると大幅に変わることが多い。改悪ではなく進化するためには大幅なモデルチェンジは有効な手段となる。オイルの場合は名前もボトルも価格の変更もしていないので認識しにくいが、常連さんからは「滑らかさを感じる」「何だか粘度が柔らかくなったような感じ」「オイルがなかなか汚れない」「オイル消費が少なくなった」などのコメントを頂いています。また、粘度混合使用による新しい粘度調整をさっそく楽しんでくださる方も増加中です。たかがオイル、されどオイル、オイルを追求すればするほど奥は深く限りなく迷路のごとく広がってゆく。毎度のことですが迷ったり初めての方であれば、事前にお気軽にお問い合わせしてください。初回からズバリと最善のオイルが選べなかったとしても、あまりにも使用条件や愛車とマッチングしていないオイルを選んでしまうよりは、遥かに条件に適合しやすいオイルをアドバイスできることでしょう。









●2010/04/15

最近の新型車の傾向は「走りと燃費の両立」がメインテーマとして見て取れる。輸入車メーカーもハイブリッド開発に前向きに取り組み始めている。メルセデスベンツはディーゼルハイブリッドを開発中とテレビで放送していた。BMW、アウディ、VWなど他のドイツ勢も大型セダンの高級車にハイブリッドを組み込み販売に向けて前向きとなってきたようである。
先日、アウディA4新車を購入された方が来社された。X1効果を前車で実感されたので新車購入したので、できるだけ早くX1を添加したいという要望で来社された。エンジンは直噴ターボにも関わらず排気菅は凄く綺麗で驚かされた。アウディの2ペダル・ミッションは「Sトロニック」と呼ぶが、BMWやVWではDSG(2ペダルMT)と呼ぶ最新メカニズムが搭載されている車である。DSG(ダイレクトシフト・ギヤボックスの略)は最初はBMWのM3から採用が始まったように記憶している。ベースは1980年のグループC参戦マシン、ポルシェ962という歴史を持つ。中味の機構はギヤを用いたMTであるが、二つのクラッチを採用して2軸のギヤを交互にクラッチを切ったり繋いだりすることを自動的に行うオートマだ。普通のオートマと違うのは出力軸が直結されているため変速の際のタイムラグが非常に少ない。極端な表現で言えばF1ドライバーが操作するよりも速くシフト操作が自動的に行われる。その秘密は1速にギヤが入って発進すると(1速側の軸のクラッチは繋がっている)、すでに2速はシンクロして待機している状態で(2速側の軸のクラッチは切れている)1速側クラッチを切ると同時に2速側クラッチが繋がる。これを交互に繰り返しギヤチェンジを行う理想的なシステム。排気量が1400cc以下のパワー&トルクの小さな車種はクラッチがMTと同じ乾式クラッチで、排気量が大きくなるとクラッチは摩擦熱発生が増大するために冷却が必要となるためATのような湿式クラッチ採用と変わる。VWポロの1400ccは乾式クラッチで7速DSGを採用して燃費向上にも大きく貢献している。アウディA4は湿式クラッチとなるSトロニック(DSG)であった。走行距離は493kmと少ない。デフオイルは紅80W-140に交換、Sトロニック(DSG)にはX1を500cc添加、エアコンにX1FSを25cc添加後、会社周辺をりテスト走行して評価を聞いてみた。
まず、出足が軽く感じるように変化し、シフトポイントの速度が上限側に変化したというコメントを頂いた。「車が軽量化を実施したかのように軽く感じる」ということから、アクセル踏み込み量が減少した結果、変速ポイントが上限側に変化したと推定できる。その結果、燃費向上が期待できることが予想される。もっとも、その分をアクセルを踏みこんで走りを楽しんでしまえば向上分は消費されてしまうのは、いつものパターンであるが・・・。今回のような新しいメカニズムは、どう変化するのかは構造と作用を知ってしまうと、ある程度の高い確率で推定できてしまう。湿式クラッチが採用されていれば、従来でもX1添加によりオートマの湿式クラッチの滑りを抑制し、ドラッグワンと同じ作用でクラッチ磨耗を抑制できる。また、MTにX1添加でも、シンクロ作用を補助してギヤの入りを改善すると共に、ギヤの磨耗を抑制できるので、販売側の私が言うと宣伝そのものに聞こえてしまうが、本当にX1&X1FSは便利な添加剤だと車大好き人間の私は強く思う。この滑り抑制(トラクション向上作用)と潤滑性能向上という相反する要素を改善できるのが発売以来のX1&X1FSの特徴でもあるが従来の自分の中の理論だけで理解しようとする方には、なかなか難しいようだ。一度でもドラッグワンやマジカルストップを体験していただければ、どうしてブレーキローターに塗って性動力が上がるのか体験できることだろう。
発売当初の初期型DSGは完全に停止状態では一般オートマ車のようなクリープ走行はできなくて、ギクシャク感を感じるなど新しいメカニズム特有の小さな欠点があった。それも次第に改善が盛り込まれた結果、一般的なATと同じクリープ走行が可能となり、坂道発進に於いても下がらないなど使い勝手が向上している。トルクコンバーターを有するAT車は変速時のタイムラグが避けられない。だから、MTの気持良さを知っている方はMTを自由自在に操作する楽しみを知っている。でも、休日の楽しいドライブには渋滞が付きものであり、ATの便利さも捨てがたい。こんな両方の欠点を改善し、走りも楽しめるとなればDSGに魅力を感じてしまうのは私だけではあるまい。もしかしたらドイツ車のハイブリッド車にDSGが組み込まれても何等おかしくない。7速ギヤを用いてギヤによる効率に優れた伝達が可能になれば燃費向上と走りのおもしろさとの両立が図れるからだ。1日も早く、国産車にもDSG搭載車が現れることを願う車好きも意外と多いと思われる。(VWと提携したスズキ・スイフト・スポーツが一番実現性が高い)新しい物、大好き人間な私としては国産DSGに期待してしまう。最先端テクノロジーの先端が盛り込まれるクルマこそ、常に頭脳をフレキシブルにして興味を抱いて探求していないとアッというまに置き去られてしまう。



●2010/03/28

いつもは月2回。1日と15日にアップしている藤澤の部屋ですが、年度末ということもあり、早めにアップしました。
画像は会社で使用するテスト走行路脇に咲いた桜と菜の花。あと数日で桜も終わってしまうから、「旬の画像をアップしたい」という意味合いも含んでいます。


今回は改めてestremoX1について話をしてみましょう。初めて発売開始してから20年が経過しました。長年の愛用者様にはこの場を借りまして改めて厚くお礼申し上げます。
発売当初はSUPER ATTACK X1(スーパーアタック・エックスワン)という長い名前だったので納品書に記載する場合や広告で名前を入れる場合など、長過ぎて扱い方に苦労していました。また長い名前の場合は省略して呼ぶ方法が流行っていますので通常の話の中では「エックスワン」と使われるケースが主流で、その呼び名は現在でも使われ続けてきています。そこで途中からあえてスーパーを取り去ってアタックX1と簡略化を実施したのですが愛用者の方から「スーパーが付かないと性能が落ちたように感じる」などのご指摘を頂きました。日本人にとっては「スーパー」という英文は語感を含めて大きなイメージが構築されているようで他の英文字よりインパクトが強く作用するということを改めて感じた次第です。実はアタックX1と改名した時に性能向上を図っていたのですがイメージ的にはダウンしたように錯覚された人も居たようです。当社の製品開発で性能を上げることは考えても落とすことなど1%でも考えたことはありませんし今後も有り得ません。サブタイトルで「スーパーレスポンス」と入れていたのですが・・・。
平成16年12月24日に「estremo:エストレモ」イタリア語の発音では「エストレ〜モ」となり「究極」とか「最高にイカした」などの意味合いから採用しました。「オイル添加剤」と総称されても配合される成分は二硫化モリブデン、フッ素樹脂(PTFE&TFE)有機モリブデン、粘度指数向上剤など多岐に渡っている。全盛期の頃は月に1種類は新製品が発売され、いつの間にか消えてゆくことを繰り返し現在に続いている。中には週刊誌で販売者を募って儲かると宣伝してセット販売している製品も見かけたものである。ある日、そんな製品を購入した商店主が効果を教えて欲しいと購入した品物を持ってきたので分析及びテストしてみたが安いだけで(数千円していたが)購入するような品物にはほど遠かった。結局、その人は自分で数本使っただけで残りはごっそり残って大きな損をしたと思われる。ミミズの養殖ではないけれど、よく聞く話である。本当に儲かる製品であれば自分の会社で販売するだろう。私も中古住宅を購入して一時期住んでいた時に「お宅は角地で目立つのでアルミベランダをモデルで提供します」と営業マンが訪れた。最初は無料と匂わせながら話を聞いてゆくとどうもおかしいので「最終的に掛かる金額を早く提示しろ」と急かしたら結局は費用が発生することが解り、そうそうに帰っていただいた。皆様もうまい話には充分に注意してください。
話をオイル添加剤に戻す。最近のハイブリッドや電気自動車に大きく変貌を遂げようとして現在でも添加剤の新製品がいくつか新発売されてくる。個人的には「今時?」と思ってしまう。estrmoX1&X1FSは発売以来、幾たびかの性能向上を図ってきた。あまり広告とかHPで宣伝していないが、他の添加剤には無い大きな特徴を幾つか持っている。
1:カタログにも掲載されているが、圧力試験機だけでの評価では解らない部分が沢山ある。圧力試験機で解ることは圧力に対する反応や潤滑能力ということで粗悪な性能であれば結果に出てくる。そこで熱伝対という自動車メーカーが各種実験の際に温度を測定するセンサーを試験片に埋め込んで試験片の温度変化を測定してみた。その結果、他と違う反応を示した。通常は圧力を上げれば当然ながら試験片の温度も比例して上昇する。しかし、X1は圧力を2倍に上げた瞬間に瞬時に反応し温度上昇がストップして安定化してしまったのである。この反応が実はメタルリペアを表している。試験片の接触している部分がキラッと光り磨耗も極僅かで音も一切出ない(消える)のである。
2:上記のような圧力試験機で純正オイルを受け皿に注いで、試験片がウエット状態で試験すると、圧力を上昇させると「ガガッー」と大きな音がして性能の低いオイルだと磨耗・焼きつきロックしてしまう。良いオイルでも異音と共に磨耗して大きく削れてしまう。所がX1を試験片に塗り、その後でウエスで拭き取りドライ状態で試験機に掛けても異音も出なければ大きな磨耗も発生しない。
3:当社だけがローターに塗布してブレーキを効かす、ドラッグワンやマジカルストップを長年販売してきている。新型プリウスのブレーキリコールではないけれどブレーキに関する製品は安全に直結するだけに非常に難しい。ドラッグワン発売直後に雑誌2社がテストを行ってくれた。スカイラインで60km/hでフルブレーキを掛けた場合、17メートルの制動距離が15メートルと2メートル短縮。シルビア(S13)で15メートルが13メートルと同じく2メートル短縮。また、最近では、コリズムというサイトで自動車レポーターがオペルべクトラでD2添加+マジカルストップ施工で、50km/hでのフルブレーキで制動距離が5メートル短縮したという実験結果がアップされている。(YAHOOで コリズム マジカルストップ 検索すると、トップに「カー用品」塗って、入れるだけでブレーキが劇的に変化って、マジ と表示されるので興味のある方は見てみてください)実はここに大きな秘密が隠されている。X1&X1FSはトラクション作用を持っている。圧力と熱に反応して潤滑を行いながら滑りを抑制する働きを持つ。だからこそ滑ってはいけないブレーキローターに使えるのである。同様に、オートマの湿式クラッチの滑りを抑制したり、MTのシンクロ作用を強化したりCVTの変速タイムラグを短縮させたり、LSDのイニシャルトルクをアップさせたりできるのである。これが進歩したメカニズムでも非常に有効に作用する。だから「添加剤」という一言で全ての添加剤を簡単に評価することがいかに適切でないかが解ってこよう。でも無理かな?自分の知識の範囲内で人は何とか自分自身を説得する動物だから・・・。ドラッグワンやマジカルストップやX1&X1FSを一度でも使って、滑りを抑制することを体験された方であれば「なるほど!」と納得できることでしょう。
4:当社製品の愛用者の方で仕事柄、水道や排水菅、給水菅、蒸気配管などの工事を行っている方で、材質がステンレスで大きなパイプを切断したりネジを切ったりする機械の刃が約3万円と非常に高価であるが200本も切ると刃がだめになって交換していた。そこでX1を切削液に10%混合したところ、約3倍の600本切断したがまだ切れるので交換しなくて済んでいるので経費節減できたと嬉しい報告が寄せられました。私もアルミフェンスを自分で工事した際に穴開け用ドリルの刃とタップにX1スプレーを吹き付け、非常に綺麗に楽に作業できたことを経験しています。また、当社工場にオイル交換に来社されリフトアップした際にショックアブソーバーのシャフトにX1スプレーをひと拭きするサービスも行っています。(ホンダ車はブーツが下側も固定されているので施工できません)皆様方も容器に残ったX1&X1FSをそのまま捨てないで色々と活用法を探してみてください。おもしろい効果を発見するかもしれません。
PS:スペッシャルレポート3に掲載してある日産プレサージュの方がオイル交換に来社されたので色々な話を聞くことができた。2010年3月21日現在の走行距離は611277kmでした。平成21年5月に電話でオイル注文されてきた時点での走行距離が57万kmで、オートマはとうとう52万km走行時点でご臨終してしまい、リビルト品と載せ替えたという報告でした。
前回の来社時の走行距離が511591kmだったので、平成21年5月までの約10ヶ月間で約4万km走行。約2年程で何と99686km走行した結果になる。普通の方の新車購入から購入または廃車に匹敵する走行距離だから驚かされる。改めて「弊社製品により寿命は延ばせるがオイルやX1を使用出来ない部分は守れない」が自動車を観察して判明した。ボディのあちこちに腐食が進行していた。バンパーラバー(突き上げた際に受け止めるゴム)はボロボロに朽ち果てていた。エンジンは僅かにオイルの滲みが見受けられるものの、まだまだ大丈夫そうだ。タイヤは何回替えたか解らないほどだという。それでもエンジンを含めて調子は絶好調で太い225タイヤに交換しているが、燃費は12〜13km/リットル(カタログ燃費9.2km)をマークするという。エンジンオイルはAZX1極からZ50極に変更していて1万km走行でオイル消費は500ccと61万km走行に関わらず極めて優秀な値を示している。走行距離が増える要因として片道50kmの通勤なので1日100kmは走行するという。何よりも私や社員にとっても嬉しいことは、テストコースの実験データーではなく、あくまで日常生活における実用結果であり、全ての方に当てはまるものではないけれど、長年掛けて実際に得られた動かしがたい結果であるという点である。
他のスペシャルレポート1及び2の車も元気に走っているようなので、いずれ距離が増えたらアップしたい。

●2010/03/16

写真は我が家の裏庭に昨年咲いたボタンです。一足早い春の匂いを感じて頂けたら幸いです。

3月に入って珍しく雪が3センチほど積もった。相模平野に雪が降ると春の訪れが近いことを表している。寒い日と暖かい日の寒暖の差が10℃前後もあるのが最近の特徴である。「三寒四温」という言葉があるように寒い日が3日続き温かい日が4日繰り返しながら暖かい春を迎える。草花や木々の芽を観察すると春の訪れを予感して芽が膨らんでゆき暖かい日が続くと急激に大きく膨らむようだ。気温上昇と合わせてエアコンのX1施工に関する問い合わせが増えてくる。エアコンにX1又はX1FS添加することで、どんな作用やメリットが得られるのか、またその他の注意点について、もう一度詳しく解説してみよう。
1:低圧側に専用工具で20cc〜50ccのX1またはX1FSを注入すると、冷媒と一緒に配管内を通りコンプレッサーに到達する。するとコンプレッサーの回転部分の潤滑能力を高めることで抵抗(フリクション)を低減する。すると、エアコンスイッチをONした時にコンプレッサー負荷により「ガックン」と衝撃が来てスピードダウンするのが低減できる。この衝撃やスピード低下はエンジン排気量(厳密には出力)によって大きく異なってくる。軽四輪のように排気量が小さくノンターボ車であればサイドブレーキを掛けたかのように急に重い走りとなってしまうが、X1またはX1FSをエアコンに添加した途端にエアコンON時のショックが軽減されると同時に驚くほど軽快な走りに変化する。
2:軽四輪車でもターボ車であれば、体感度が少し低下する。それはエンジン出力がNAより高いためにコンプレッサー負荷の負担が少ないからである。同様な理由で排気量が大きくなってゆくほどコンプレッサーの抵抗が減少したとしても、元々の出力に対する負担が少ない訳だから体感的には解りにくくなってゆく。効果が解り易い排気量は多少の個体差(車種によっても違ってくるが)や、その人の感性にもよるが1600cc以下の排気量。だからエアコン添加のメリットは1600cc以下の車に顕著に現れる。
3:エアコン以外のエンジン、デフ、ミッション、AT&CVT,パワステなどに長年に渡ってX1又はX1FS又は弊社オイルを使用されている方であれば、X1&X1FSの潤滑能力の高さを充分に理解してくださっているために、大排気量車のエアコンにも延命処置の一環として「X1FSを添加したい」となってくる。初心者の方ほど「X1添加」と販売店の担当者に依頼するようでX1の50ccが販売店によっては出てゆく。この場合も販売店の担当者が弊社製品の理解度が深ければ「せっかく添加するのであればX1FSを勧めます」と助言できるのでX1FSオンリーで注文がくる。
4:弊社以外は添加するのに便利だから50ccのサービス缶で多くのエアコン添加剤が販売されている。サービス缶の中には添加剤を押し込むための冷媒ガスが30ccと添加剤が20ccの割合で充填されている。冷媒ガスが抜けて少なくなっていなければ冷媒ガスは不必要なので弊社は独自の圧力式専用注入器を用いてX1&X1FSを添加する方法を開発した。一番のポイントは添加量で開発テストで上限50ccまでの添加で問題が起きないことが確認できたので(ツインエアコンの場合のみ電磁バルブの穴の小ささが問題となるため施工禁止)50cc添加で始まった。しかし、添加量が多いためと性能の良さで軽四輪車などに添加した場合、大きな体感度が得られる。すると1〜3年経過すると「効果が少し落ちたので、また再添加して欲しい」という要望が増えてきた。「いや、密閉された空間に、他社の2倍の添加剤を入れているために壊れるまで再添加は出来ません」と断ることになる。また「エアコンが故障してリビルト品に交換したら再添加が可能です」と、その度に説明することになる。そこでアタックレーシング本社では「初回は25ccを添加して効果が落ちたと思った時に25ccを再添加してみたらどうでしょう?」と最近は変更している。この辺りの対応は各販売店に完全に徹底することが難しい。その理由は、販売店の担当者は担当する部署変更が行われたり、絶えず退社する方や入社される方がいるためで、それを確認して教育することは会社が異なるため不可能に近い。
5:車が古くなってくれば、ある日突然にどこかが故障してもおかしくない。エアコンだって、ある日突然効かなくなる。そこで一応の目安として5年間5万km以上走行している車の施工についてはお断りしている。メカニズムに無知な方ほど説明しても理解できない。たまたま壊れかかっているエアコンにX1またはX1FSを添加して運悪く1ヵ月後にエアコンが故障したら無知な人も無知で無い方も「X1またはX1FSを添加したらエアコンが壊れた」と販売店に保証を要求してくるだろう。当然ながら販売店は「責任はメーカーにあるのではないか?」と修理の代金をメーカに要求することも出てくる。例えばその車が10年以上、10万km以上走行していた車であっても「X1を添加して壊れたのは事実だから」と一歩も引かないことも起き得る。この場合、10年間または10万km以上走行して磨耗劣化している点についての考慮は0%で話が舞い込む。エアコンに限る話ではないがオートマのX1添加でも同様なことが起きる可能性がある。弊社の製品は高額商品なので、何か不具合の兆候を感じると安い添加剤を色々と試して改善の兆しが出てこなくて困り果てて弊社の高額商品に目を付けることになる。「・・・・が治りますか?」答えは簡単明瞭で「X1&X1FSを推奨添加率で添加して直らなければ内部が壊れています」となる。初心者ほど新車から添加して寿命を延ばそうという知識は薄い。値段だけみて「高い」と敬遠するだけである。そんな方が清水の舞台から飛び降りる気持になるのは高額な修理代が掛かることが解ってからとなりがち。だから初心者ほど、どんなトラブルも治る魔法の薬と勘違いする。完全に壊れた物が治る添加剤などこの世に存在しない。ただ裏には技術的、作用的に改善できる部分があるので多くの不満点や不具合に思えた部分が嘘のように治ったり改善できるだけの話である。だから「ある販売店の修理屋さんがX1は故障診断に有効だ」と言ってきた。特に異音がエンジンで発生しているのかオートマで発生しているのか解らない場合は、どちらかに添加することで音の変化(場合によっては解消)で特定できると言う話を聞かせてくれた。




●2010/03/01

「河津桜とメジロ」の画像は我が家の裏庭に植えた河津桜の花が咲くと毎年恒例のペアのメジロが花の蜜を吸いに訪れるのを部屋の中から望遠で狙って撮ったものです。

近くの松田山に沢山植えられた河津桜も2月中旬頃に満開になり多くの方が訪れて賑わいを見せている。桜の下には菜の花も彩を添え天気が良ければ富士山も望める絶好の景観が好評のようです。こちらも桜の匂いに誘われて野生のメジロも花の蜜を吸いに群れをなして集まってくる。朝晩は冷え込んでいたが日中の陽差しに煌めくような明るさが加わるように変化して春の足音が聞こえてくるようだ。このような温暖な地に暮らしているが雪国ではまだまだ寒い日が続くことでしょう。
多くの方の常識として寒い冬よりも暑い夏場の方が水温も油温も上昇するのでエンジンオイルの劣化が激しいと思っていませんか?この常識は大きな間違いで寒い冬場の方がエンジンオイルの劣化は激しいのです。特に近年はエコ志向の高まりから「低粘度オイル=燃費が良い」という常識が定着しているので冬場のオイル消費に拍車が掛かってきたように思います。油温が上昇しない冬季ほど夏よりオイル消費も増大することを知らない方を多く見掛けます。ホンダ車の取り扱い説明書には「冬季の方がオイル劣化が早いので注意してください」と書かれていました。なぜ暑い夏よりも寒い冬の方が劣化が早くなりオイル消費が多くなるのでしょうか?
理由その1:寒い冬は気温が下がっていますので昔ならチョークを引いて燃料を濃くしていました。今ではコンピューターが自動的に混合気を濃くして始動性を高めています。また気温が低いほど混合気は濃くなります。圧縮工程で混合気はピストンリングからオイルパン側に漏れてオイルをガソリンで希釈しますので濃い混合気ほどガソリン希釈率が高まります。
理由その2:気温が低ければ当然ながら油温も上昇しません。特に雪国では滑りやすい路面状態ですから当然ながらアクセルは強く踏めません。そうなればピストンは膨張しないまま吸入−圧縮−爆発−排気工程を行うのでピストンクリアランスは常に大きいままなので、全ての工程でピストンからオイルパン側に漏れるブローバイガス量が増大してしまいます。反対にオイルパン側のオイルも燃焼室側に多く侵入し混合気と一緒に燃えて消費してしまう量が増えます。
理由その3:ピストンが収縮した状態では爆発の力もオイルパン側に逃げてしまう量が増えるので爆発の力が逃げたロス分だけピストンに掛かる力も低下するのでトルクも低下します。だから、私は省燃費オイル=燃費が良いという常識に「?」です。事実、固い粘度の方が低速トルクが出てオイル消費も少なくなることが当社に来社される多くの方のデーターから解っています。オイル消費が増えるのも柔らかい粘度による密閉作用の低下と広いピストンクリアランス(ピストン収縮状態)のダブル効果で爆発の力も逃げるし、反対にオイルも燃焼室に上がり易くなる。ガソリンで希釈されているから余計に多くなってしまうという悪い循環サイクルが容易に推測できます。
このような状況を考慮してゆくと冬だからと柔らかい粘度を選択することに私は大きな疑問が湧いてくる。事実、トヨタプリウス20型に他社純正品の0W-10という超低粘度オイルを試してみて約6000km走行でメカノイズが耳について来たとオイル交換に訪れた。オイルを抜いてみるとホンダタイプRで1万km走行したオイルよりも汚れていた。また、実際の燃費も特別に良好な燃費は出てこなくて変わらなかったようだ。低粘度オイルを実際に試してみると、短い走行距離(1000〜2000km)でメカニカルノイズが耳に付いてくる。少し回すとエンジンの音がへんてこな音で気持ちよく感じない。また、冬だからオイルの負担は少ないとオイルレベルチェックを怠っている方も多いようだ。警告灯が点灯して慌ててオイルレベルをチェックしてみたらローレベルだったという話も舞い込んでくる。少しの燃費向上に囚われて高価なエンジンにダメージを与えてしまっては元も子もない。困ったことにエンジン内部は見えないので平気で行ってはいけないことをしてしまう。また、一般的な常識がどうしても邪魔をしてしまう。誤った常識でも一度インプットされてしまうと後が大変で、なかなか違う話を受けつけてくれない。私の研究では世間一般の常識とは反対に「冬こそ少し固めの粘度が良い結果を得られる」ここで問題なのが40番から50番だと、やっぱり重さが気になる場合も出てくるので、粘度調整が出来るオイルであれば40番と50番を半々に混ぜた45番で試すことができる。こんな背景を考えてオイルブレンドOK=粘度調整を進めてきた。たかがオイル、されどオイル、オイルを探求してゆくと奥は限りなく深く広い。
今回の提案「冬季は少しだけ固めの粘度もあり」


●2010/02/11

連日テレビで流される「新型プリウスのブレーキリコール」には多くの方が多大なる関心を持ってニュースを見ているここと思われます。新型プリウスHPにブレーキ抜けがアップされないので「アタックで購入した新型プリウスのブレーキは大丈夫なのか?」と心配されていることでしょう。そこで今回の「ブレーキ抜け」に対して、私なりの技術屋としての見解を詳しく解説してみましょう。基本的な考え方として、アクセル、ブレーキ、ハンドルの3要素は安全に直結する操作系統になるので「フィーリングの問題」と述べる問題ではありません。今回の「ブレーキ抜け」は、誰でもが体験するのではなく、ある複数の悪条件が重なったときに突発的に発生するトラブルです。マスコミでも公表されているように、発生を引き起こす悪条件とは
○雨天で滑りやすい ○マンホールの蓋 ○橋の継ぎ目などの金属部分 ○高速道路などの継ぎ目の金属部分 ○凍結路 ○圧雪路 ○凸凹路面
これらの悪条件が重なるほど発生率は高まるようです。今回の問題が厄介なことは、納車されてから9000km走行しても1度も体験していなかったのに、ある日、突然発生するのでパニックになる。「ブレーキ抜け」という表現がピッタリ当てはまる現象で、時速40キロ位から軽くブレーキを掛け徐々に速度が落ちてゆく際に、雨で濡れたマンホールの上を通過したところ、ブレーキの踏力は一定なのに一瞬加速して約0.5秒ほどの間、まったくブレーキが効かなくなるようだ。「ようだ」と書いたように私は4700kmの間に、1度も体験していないからである。事故を引き起こしそうになった人に対して「運転方法に問題がある」という認識を示す方も居るようだが急ブレーキではなく、ゆっくり減速時に突然訪れる。大きな問題はブレーキを一定に踏んでいるのに「一瞬加速する」という恐怖感である。この時に「モーターが一瞬回している」また「モーターには駆動電流が流れていないので錯覚している」と捉える方も居るようだ。ネットで「ブレーキ抜け」が発生した際の詳しい画像が流されていたので見てみると、時速が次第に落ちてゆき24キロにまで落ちた瞬間に27キロと間違いなく3キロも速度が上昇していることが確認できた。新型プリウスに限らず、トヨタのHVの特徴は2モーター方式採用で、アクセルを離すと回生ブレーキがグッと効き、従来のエンジンブレーキよりも強力にググッと速度が低下してゆく。正常時の制御は回生ブレーキから油圧ブレーキへのバトンタッチがスムーズに行われるので問題は起きない。先ほどの悪条件でタイヤが影響を受けると(スリップ)ABSの制御プログラムが働き、回生ブレーキをOFFしてしまう。すると油圧ブレーキにうまくバトンをタッチすることが出来なくてバトンを落としてしまうために0.5秒前後のタイムラグが発生してしまうのが今回リコールの「ブレーキ抜け」。ホンダのHVは回生ブレーキと油圧ブレーキの両方を効かせているので何の問題も起こらない。

なぜ、そんなことが起きたのかを推定すると、あまりにも最高燃費向上にこだわり過ぎたためだと私は推定している。安全に関わるブレーキだけに、回生ブレーキから油圧ブレーキにバトンタッチする制御は「オーバーラップまたはクロスオーバー」という表現が相応しいように、回生ブレーキを徐々に弱くしてゆき完全にOFFにする前から油圧ブレーキを徐々に立ち上げてゆく制御が理想的なシステム。多分、このラップする制動は間違いなく燃費悪化に繋がる要素なので、開発陣があまりにも燃費目標を達成するために、ここをギリギリまで削ったと推定できる。そのために燃費至上主義の方はリコール対策ソフトのバージョンアップを避けて乗り続けたいと願う極端な人まで出てくるようだ。私が度々口にする「安全第一、燃費第二」は揺るぎのない基本でなければならない。だからこそテストコースの試験では発生しなくても、本当は一般道路の春夏秋冬の季節の変化やドライバーの運転方法の違いなど、多くの想像できない状況まで考慮に入れた開発が行なわれくなてはならない。自動車に無知な方なら0.5秒の重大さが解らなくても仕方ないが自動車製造メーカー側の公の正式発言だけに「購入者のフィーリング」と記者会見で述べた言葉が非難を浴びて当然である。横断歩道の停止線で停まろうとしたら停止できなくて3〜5Mも予想停止線より滑り込んで横断歩道上に乗り上げて停止したという方も居たようだ。運が悪ければ歩行者を跳ねてしまう。その結果は「お前の運転が悪い」と断定されかねない怖さがある。T字路で停止ようとしたら幹線道路側に前方が出て停止したという状況もあるらしい。ブレーキは0.1秒の差でも生死を分けるのだから0.5秒は実に大きい空白時間と自動車に関わるプロなら当然認識しなければならない。

アタックの新型プリウスの走行距離は現在4789kmであるが残念なことに(笑)1度も「ブレーキ抜け」を経験していない。発生しにくい純正仕様との違いを挙げてみると・・・。
1:ローターにD1(ドラッグワン)塗布

回生ブレーキを多用する燃費走行ばかり行っていれば油圧ブレーキをほとんど使用しない。またブレーキローターは雨露で真っ赤に錆びて当りが悪くなってしまう。回生ブレーキから油圧ブレーキに切り替わった時に、錆により油圧ブレーキの立ち上がり制動が遅くなる(悪化)。それに較べてアタック新型プリウスは工場内に保管で錆発生は無いし、D1塗布を繰り返してきたために最近はメッキしたかのようにローターは輝いてきて最上の当り面となっている。(画像参照)
2:ブレーキフルードにD2(デーツー)を100cc添加
今回のリコールのデーター変更でどこまで改善されるかは未知数であるが、ブレーキの問題は実は「ブレーキ抜け」と「カックンブレーキ」の二つがある。「カックンブレーキ」も常時発生する訳ではなく、ある日、突然襲ってくる。私は2〜3回経験した。軽く踏んでも調整は効かず同乗者がムチ打ちになるほどと表現すれば伝わるだろうか。例えば強弱を1〜10段階とした場合、軽く踏んでも(1段階)最強(10段階)で効く。発生する条件は1:起動スイッチをONにし、そのまま5〜10分車内にいて 2:低速発進 3:平坦よりも軽い登り下りで 4:少しだけ移動してブレーキを掛けた 
こんな状況で発生しやすいようだ。だから、D2添加でより症状が増してしまわないかを心配していたが、それは杞憂に終わった。反対に、回生ブレーキから油圧ブレーキに切り替わった際の「油圧の立ち上がりが早い」という推測ができる。事実、購入店の副店長に試乗させてみたら一番変化を感じたのはブレーキのようで「普通は違和感があり気を使うのだが普通の車のようで違和感が無くて乗り易い」と感想を述べて頂きました。
3:ホイールをトムス軽量ホイールに交換した
HPでも述べたように純正11kgを軽くしたくてトムス鍛造ワンピース5.2kgのホイールに交換してバネ下重量の軽減を図った。タイヤが跳ねた際に重い物ほど突き上げられる可能性が高い。軽ければ突き上げも少なくなる理屈で、凸凹道路での走行でも確実にドタバタ感が減少している。
4:タイヤをミシュランLCに交換
純正で装着されてきた某メーカー製品はドタバタ感とロードノイズが馴染めず、静粛性に優れるミシュランプレマシーLCに交換した。このタイヤは路面と接するキャンバスの厚みが普通のタイヤよりも薄造りになっている。ホイールとセットでの交換だったので大幅な乗り心地、転がり感、ロードノイズ低減などが確認できた。更に窒素ガス充填で磨きがかかった。燃費重視で空気圧を3kg以上高めると「ブレーキ抜け」の発生頻度が高まると言われている。空気圧と同様にタイヤ銘柄も重要な要素と私は捉えている。ちなみに、空気圧はフロント2.6kg、リヤーも2.6kgと指定より少しだけ高めている。
5:ブレーキテクニック使用
長年自動車が大好き、運転が大好きで生きてきたので、昔であれば車に合わせて色々な運転をしてきた。4輪ドラムブレーキの頃は自動調整など組み込まれていなかったのでブレーキシューが磨耗してクリアランスが大きくなってくれば、ブレーキペダルの遊びは大きくなり、普通にブレーキを踏み込んだらスコンと奥に入ってから効き始める。これを予防するにはブレーキペダルをダブル(2〜3回続けて)踏むことで解決した。多くの方が自然と行っていたテクニック。HPでも書いたように新型プリウスを運転してみると最初にブレーキに対して違和感を強く抱く。少し飛ばしてコーナーに入ってゆく時には、自然と身体が反応してブレーキペダルを「コンコンコン」とダブって踏んで入ってゆく。この場合は油圧ブレーキを効かせているので問題は起きない。

最後に、なぜ加速してしまうのかを推理してみよう。新型プリウスは回生ブレーキと電気式無段変速機(ミッション)が使われている。ミッションの中には遊星歯車でエンジンの動力とモーターの動力をミックスして駆動輪に伝えている。今回のリコールの「ブレーキ抜け」で「エンジン停止状態で回生ブレーキが作動中で駆動輪がスリップを検出した」という状態。それまで回生ブレーキにより抑えられていた(負荷)速度が、抑えの役目をしていた回生ブレーキOFFとなって抑えが(負荷ゼロ)となり、駆動輪に繋がっているモーターとミッション(遊星歯車)の質量の慣性力(惰性)が作用して加速させたと推定できる。この現象はエンジンのフライホイールやタイヤに当てはめて考えてみれば理解し易いだろう。実は、スピードをどんどん上げて走行すると同じような現象に遭遇する。アクセルをポンと離した途端に同様にクルマが少しだけ加速する(推定で約3キロアップで時間は速度に比例)。まあ、純正仕様のままなら発生しにくい現象だと思われる。丁度「轟」オイルを使用したようなフリクションロスが少なくなった状態でなければ味わえないあの感覚。未体験なら「怖い」経験者なら「快感」と意見は分かれそう。この辺の詳しい話は新型プリウスHPで後日アップ致しますので楽しみにお待ち下さい。この場合はエンジンが回っているのでアクセルを踏んでいる間は(コンピューターにより制御された状態)エンジンがブレーキの役目をしてしまい、それ以上の速度は出ない。アクセルを離した途端にその抑え(速度制御)がなくなることから起きる。車両重量が1400kgもあるし、各部の抵抗をestremoX1&オイルで極限まで少なくしてゆけば「クルマが勝手に前に進みたい」となるのが自然の成り行きであるが・・・


●2010/01/31

今年も2月18日にオートメカニック臨時増刊「エンジンを元気にする103の方法」が発売された。

すでに購入された方には、この場を借りて深く感謝申し上げます。新型プリウスを含めてハイブリッドについても少しだけ書いてみました。今やネット時代で個人の体験談や製品紹介など情報をネット検索するのが当たり前になってきている。但し、オイルや添加剤の話になると私が見る限りでは誤った情報が多過ぎる。例えば「MTのギヤ入りが悪かったので○○○添加剤を入れてみたが直らなかったので効果が無い」と評価する人がいたら、本当にそれが正しいかと考えた場合、疑問点も数多い。内部が見えない訳だから直るかどうかなど入れる前に解る人はいない。もしかしたらシンクロやギヤが欠けているのかもしれない。根本的に壊れていたら、オイル交換でも添加剤でも直る訳はない。それでは添加する前に、直るか直らないかの確率を出せと相談されても出せる人など存在しない。中味の状態を正確に確認するためには分解してみる他は手立てがなく、多額の出費を伴うことになる。そこで手軽に安く添加剤で直ったらと相談の電話が掛かってくる。今のような不景気になればなるほど自動車の緊急病院よろしく悪くなってから頼ってくる相談が増えてくる。自動車と人間の健康は実に似ていると思う。人間だって年に1度の健康診断を受けて、悪い箇所が見つかれば早い段階で治療を開始したほうが手遅れにならない。普段の生活の中で健康を考えて運動や食事に気を使ったりストレスを貯めないように注意することが病気を予防する。人によっては身体に良いと思われる健康食品を愛用している人もいる。病気になったら入院費、手術費、薬代、ベッド代、看病する人の往復運賃、その他と多額の出費を伴うとともに収入も少なくなってしまう。自動車だってまったく同じことで故障に発展したら自動車の買い替えまで検討する最悪の事態に陥る。だから自動車だって、本当は壊れたり劣化する前の事前の予防対策として本当に効果が解る添加剤や高性能オイルを使用した方が結果的に安くつくことに繋がってゆく。一般的な「おかしくなったり劣化してから添加剤に頼ろう」ということ自体が間違った認識なのだが・・・。ただ、運良く本当に性能の優れた添加剤を試したところ、それまで悩んでいたトラブルが嘘のように完治してしまったという体験談もたくさんあることも事実であるが、それは運が良かったと捉えたほうが正解である。メカニズムが深く理解できてくればくるほど「できるだけ磨耗損傷させない」ことが長寿命と好調子に繋がってゆくのが本当の奥の深い話。自動車は消耗品の集合体で構成されている。多くの人が「故障」と認識する出来事を私から見たら「本来の寿命が尽きただけ」と捉えるケースが多い。タイヤが磨耗することは誰でも知っているがオートマが磨耗して走行不良になる原因は磨耗が限界に達したからと認識する方は限られている。だから「バックしなくなったのだがX1で直りますか?」「1速から2速の変速がたまにしなくなってきたので直りますか?」と問い合わせしてくる。その原因は何かと言えば内部の磨耗が進行し磨耗した粉が内部(下部)に沈殿蓄積したために変速を行っているバルブの動きが阻害されて発生してくる。当然ながら湿式多板クラッチの摩擦材も磨耗限界に達していることが予想される。だからこそ、いかなる高性能添加剤をもってしても改善は難しく改善可能性は1%位と低い。「壊れたり、磨耗限界に達した物まで直す魔法の添加剤など有り得ない」しかし、もう少し早い段階だと「変速ショックが大きくなったのでX1を添加したら改善された」という話は発売以来、常識的な話となっている。この場合は、僅かに残り少なくなってきた摩擦材に作用し、滑りを改善するトラクション作用を発揮し滑りを抑制し磨耗も抑制するため改善される。改善されてから何km、何千km,何万km正常に使用できるかを決定するのは、使用開始時期と密接に関連してくる。ブレーキローターにD1やマジカルストップをこまめに塗布しているとローター&パッドの磨耗進行が著しく遅くなる。オートマのX1添加もまったく同様の作用と効果を示す。だからこそ磨耗劣化をしてゆくメカニズムが理解できてくれば、できるだけ新車の内から手を打てば著しく寿命を延長できることに繋がる。これが本来の高性能添加剤の正しい使い方。ただ人間の弱さとして元気なときはついつい無茶をしてしまい悪くなってから「気をつければ良かった」と後悔することになる。だからこそ、とことん悪くなってからやっと行動を起こす。日本から海外に輸出される中古車はMTなら走行距離にあまり関係なく需要が多いので高値で売れるという話も聞くが、裏を返せばオートマが走行距離に比例して磨耗劣化することを物語っている。最近増えてきたCVTも似たりよったりで、10万前後で磨耗限界に近づくことになる。エンジンやデフは、よほどオイル管理が悪かったり、外れ品に当らない限り、そう簡単には壊れない。だから、少し使用開始が遅れたとしても何とか調子が出て長期間に渡り好調子を維持することが出来る。結局は、少し勉強をして賢くなった方が生きてゆく中で最後は得することに繋がってゆく。坂本龍馬ではないけれど目先の些細なことに惑わされず大局に立って将来を見据えて行動が出来るかに掛かってくる。そんな大きな人間に私も少しでも近づきたい。


●2010/01/15

新年を迎え気分一新で仕事に付かれた方も多いと思われます。そして気が付いてみたら、いつしか仕事に追われて新年の誓いなどいつの間にか頭から消え去っていたなんてことの繰り返しで年齢を重ねて行きます。(笑)

今回は仕事の話題を離れて趣味の話をしましょう。私が趣味が多い(単に浮気性かも)ので、何かに興味を抱くと即座に行動を起こす。それは良いのだがいつしか熱が醒めると振り向きもしなくなる。私の長所でもあり大きな欠点でもある。「鉄は熱い内に打て!」という諺通り、興味を持ったら即座に行動をお越さないと、結局は何もしないことと同じだというのが私の人生哲学。少なくとも行動を起こし、何かに熱中すれば、その後で飽きてしまって忘れてしまったようでも、後になって何かの役に立ったり、色々な人と知り合うこともできたりする。今年になって、お店のギャラリーに設置してある二つの水槽を綺麗に掃除した。子供連れのお客様が見えられると、お子様はオイル交換している間、ギャラリーでジッと待っているのは退屈の様子だ。オイル交換の作業場所には立ち入り禁止処置を取っていないので、工場をちょこまか歩かれると非常に危険でも在る。そこで電車模型のNゲージを動かして好きな子供に見てもらえるようにしているが観察していると、ただ走っている電車を見ているだけだと5〜10分経過すると退屈してしまうようだ。そこで水槽を綺麗にしたついでに、昔飼っていた熱帯魚を再び飼ってみてはどうだろうか?と思い浮かんだ。最初はグッピーから始め、エンゼルフィシュ、ネオンテトラ、ソード、デスカス、果ては海水魚、無脊椎動物まで多くの種類を飼ったことがある。水草水槽で炭酸ガスボンベまで購入して見とれるように綺麗なリシアの絨毯が出来たこともあった。どんな趣味でも他に興味が出来たり、仕事で出張に出掛けたり、子供が出来て子育てをしたり、年老いた親の面倒を見たり、引越ししたりと、色々な条件で水槽が荒れ果て、コケだらけになってしまったり、せっかく大事にしていた魚達が病気になったり、死んでしまったりと、いつしか、かっての綺麗な水槽は無残にも庭に放置されていたりした。一番悲惨な出来事は90cmの大型水槽を購入し、玄関の下駄箱の上に乗せ、床材や濾過装置をセットし、水を満たして眠りについた、翌朝気が付いた時は、床は水でビショビショに濡れていて、こげ臭い異臭が漂っていた。水槽の重みに耐えかねて、下駄箱が歪んだようで、水槽の下から5センチ当りに、横に伸びる大きな亀裂が走っていた。そこから水が漏れ、水を温めるヒーターが空気中に露出してしまい、ヒーターに魚が触れないようにセットしたプラスチックカバーが溶けて流れている状態であった。火事にならなかったことは不幸中の幸いであったが家族からは白い目で見られるは、後片付けが大変だったり、高価な水槽が一夜で壊れて使い物にならなくなったショックなど今となっては楽しい(?)思い出として残っている。その後、どうしたか?知りたい?

実は、下駄箱の中に木材で補強は施していたのだが、それまでの60センチ水槽と違い90センチ水槽の重みが予想を超えていた。そこで木枠で組んだ補強材を下駄箱の上に置き、下駄箱の中にも補強材を追加した。海水魚もエビ類も夏の暑さで水温が上昇し過ぎると簡単に全滅してしまう。部屋ごとクーラーを掛けて部屋ごと冷やすか、熱帯魚専用の冷水器を使わなければならない。ゴルフも金が掛かるし、カメラも金が掛かる、熱帯魚だって金が掛かる、車も金が掛かる、でも趣味を通して今の不景気が少しでも改善されたら少しは景気回復に貢献できているだろう。決してエコでは無いが、私から趣味を奪ってしまったら生きてゆく活力が生まれてこないのだから。さて、どんな魚を飼おうか、迷い出すとキリが無いが、実は、この悩んでる段階が一番楽しい時期かもしれない。水槽が二つあるので、ひとつは熱帯魚定番のカージナルテトラ20匹とガードネリーグッピーという原種に近いグッピーを2ペア、もうひとつの水槽にはアフィオセミオンガードネリーという熱帯地方に分布する卵生メダカを1ペアを13日の定休日に入れてみた。今日出勤したら、嬉しいことと悲しい出来事が早くも訪れた。水槽を見るとグッピーの子供が数匹泳いでいた。ご存知の方も多いように卵胎生メダカ(メスのお腹の中で稚魚となり生まれてくる)という種類で子供で生まれて隠れるようにしていた。下手をすると親に捕食されてしまう。まだ隠れ場所の水草は茂っていない。悲しい出来事はアフィオセミオンガードネリーのオスが水槽のどこを探しても見当たらない。飛び出す性質があることは解っていたので、水槽の上部の隙間をプラスチック板でかなり塞いでおいたのだが、僅かな隙間から飛び出していて死んでいるのが見つかった。生き物を飼うというのは大きな愛情を必要とすることを改めて強く感じた。


●2010/01/01

新年明けましておめでとうございます。

新年にあたり皆々様のご健康とご多幸、併せて愛車の益々の好調子を祈念致しております。
本年もまっしぐらに突き進んで皆様方から愛される製品造りに取り組んで行きますので、昨年同様に宜しくお願い申し上げます。


今年は2月になるとホンダからスポーツハイブリッドCRZが新発売されます。ハイブリッドという言葉からエコカーと重ね合わせてしまいますが、新型プリウスの「燃費スペッシャルなハイブリッド」とは、似ても似つかない「走りのためのスポーツハイブリッド」で「燃費もにも優れる」車なのです。解り易く説明すれば走りと燃費の両立を目的としたモーター搭載と言えるのです。モーターの特性として最大トルクが瞬時に立ち上がる優れた面を持っています。このモーターをエンジンとミッションの間にサンドイッチした簡単な構造を採用していますので、多くのメリットが生まれてきます。
1:シンプルな構造 2:販売価格が安くなる 3:総重量が重くなりにくい 4:修理が楽 5:耐久性に優れる
エンジンが不得意な領域はエンジン回転数が低い状況です。モーターは大きなスパーチャジャーを装着したようなアシストを行います。スーパーチャージャーはエンジンの出力で駆動する関係で高回転域になればなるほど出力損失が増大してしまう欠点があります。またターボチャジャーは高回転は優れていますがアクセルペダル踏み込みに対してタイムラグが発生したり、排気ガス低減が難しい、燃料消費量が多いなど大きな欠点を持っています。これがモーターアシストになればエンジンが低回転域でもモーターがアシストするので言葉を変えればエンジンを2基載せたような走りを得られ燃費的にも優れ現代の要求にピッタリ当てはまる技術となります。勿論、モーターとバッテリーの重量増が一番のデメリットとなってきますが、現代の進歩した技術とシンプルな構成、各部軽量化のお陰で、大きなデメリットとはなりません。また、車の運転が大好きな人達から喜ばれる6速MTも用意されるようです。ほぼ確実な予想スペックは、エンジン・フィットRS用の1.5リッター直4、114PS, 気になる加速は0〜100kmが9.7秒と期待させる数値である。また全長4080mm×全幅1740mm×全高1395mm、ホイールベースはフィットより65mm短くなり2435mmとコンパクトで日本の狭い道にピッタリだ。多分、車両重量は1150kgと軽く、車両販売価格は250万円前後となるだろう。走りは今までの車と同じように何の違和感もなく、estremo極に交換したような滑らかな加速フィーリングが最初から味わえることだろう。その車のエンジンオイル、ミッションオイルにX1を添加したり、極や轟を入れたら「快感」と思わず叫びたくなるような気持良い走りが味わえると今から予想できてしまう。そして結果的にガソリン代が安くなり環境にも優しくなれたらストレスも減る。想像するだけで早く体験してみたくなる。これが私の初夢(正夢)かもしれない。今年も「夢を大きく持って」1年間をアクセル全開で過ごしてゆきたい。


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